舞い落ちる村

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  • サイズ B6判/ページ数 163p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163278704
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

村と街のあいだの計りきれない距離と時間を繊細極まる文で綴った秀作。第104回文學界新人賞受賞作品。受賞第一作「冬待ち」を併録。

著者等紹介

谷崎由依[タニザキユイ]
1978年、福井市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年、「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

兎乃

23
再読。電車に揺られながら読んだ昨日のもう一冊。数も、名前も、言葉も、記号が意味をなさない乖離された村。佇まいの良い言葉と文章が無理なくその村へと誘い、逃げ、囚われたり。よい弦楽器が響かせる単音のような、その説得力と余韻を感じる作品。するりと本の中に巻き込まれて、たどり着いたのは舞い落ちる村か。目をこすったら、見慣れた改札口。小さな旅の読書タイム、いい時間を過ごしました。著者は翻訳者としても素敵なお仕事をなさっているし、ご本人の作品をもっと読みたいと思います。2013/02/25

Roy

20
★★★★★ なんて不均等にゆらゆらした小説なのだろう。不確かな人間達の位置関係に冒頭から引き込まれ、言葉の美しさに飲み込まれました。しかし言葉こそが常に変化を望む時代や日常に於いて、とても不確かに揺らいでいるモノなのかもしれません。何が村に舞い落ちるのか其の実よく解りませんが、均等な言葉が舞い落ちてくれればこれ幸いです。2009/04/01

やまぶどう

17
「舞い落ちる村」言葉や時間の概念が異なる村と現社会とを行き来する主人公。この異世界が現社会と地続きだからこそ、その怪しさが浮き彫りとなる。だけど、不思議なことに読み進めるうちに言葉を駆使する現社会の方が怪しく、歪みゆるんだ村の方が心地よく感じられてくる。「冬待ち」表題作のようなインパクトはないけれど、詩のように洗練された美しい文章で日常の妙を描くこの作品はとても好み。繊細な表現に酔った。2009/03/13

かりさ

14
どこか幻想的で現実の輪郭が曖昧でふわふわした独特な世界に強烈に惹かれました。表題作「舞い落ちる村」の数を数えず、名前をつけず、言葉を信じない現実世界から乖離された村の様子はとても妖しげで、そして心地良い。音のない世界のように淡々と静かに単調に綴られるのが非常に魅惑的。主人公の揺らめきの描きも見事。「冬待ち」も夢の中のような浮遊感がたまらなくいい。翻訳ものを読んでいるような掴みどころのなさを感じながら、そこに強烈な魅力を憧れを持つ。ずっと目覚めずここにまどろんでいたい。離れ難いほど好き。2009/05/28

花林糖

13
図書館本。幻想的な空気漂う「舞落ちる村」「冬待ち」の2編。美しい文章・比喩表現・空気を掴む感じでとても好みでした。特に「舞落ちる村」は閉塞感・陰鬱さ・妖しさもあり◎。2024/03/11

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