モノレールねこ

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163255101
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

時をこえて届くあの頃からの贈りもの。儚いけれど、揺るぎない―「家族」という絆。デブねこの赤い首輪にはさんだ手紙がつなぐ、ぼくとタカキの友情(「モノレールねこ」)。夫を待つ時間に取り組んだ白いパズルの中に、犬の気配が(「パズルの中の犬」)。家族をいっぺんに失った中学生の私と、ダメ叔父さんの二人暮らし(「マイ・フーリッシュ・アンクル」)。私と偽装結婚したミノさんは、死んだ婚約者がそばにいると信じていた(「シンデレラのお城」)。ロクデナシのクソオヤジに苦しめられてきた俺に、新しい家族ができた(「ポトスの樹」)。会社で、学校で、悩みを抱えた家族の姿を見守るザリガニの俺(「バルタン最期の日」)。

著者等紹介

加納朋子[カノウトモコ]
1966年、福岡県北九州市生まれ。文教大学女子短期大学部卒業後、化学メーカーに勤務。92年、「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞受賞。94年発表の短編「ガラスの麒麟」で、第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。95年に退社して作家専業となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

150
お気に入りさんの感想を読んで気になり、読みました!加納朋子さん初読みでしたが、とても良かったです♬8編入りのの短編集。どのお話も家族愛を感じます♡大切な人を失ったり、動物が出てきたりして温かくて優しいお話でした*特に『バルタン最期の日』が良かったです!バルタンにはやられました!すごく泣けました*他に『セイムタイム・ネクストイヤー』も泣いてしまいました。とても温かくて、ほっこりしたり、じーんとするお話ばかりです♡『ポトスの樹』『マイ・フーリッシュ・アンクル』も良かったです!とっても優しい素敵な短編集でした♪2013/04/28

pino

149
面白いタイトルだな。加納さんの出身地のK駅に乗り入れているモノレールとあの界隈が思い浮かんだ。サクサクと文字を追っていくと、登場人物たちが、まるで身内のように思えてきた。ダメダメなのに、何故か愛おしくて、ほっとけない存在だ。くつくつ笑えるが、時折、挿まれるエピゾードが、忘れていたトラウマだったり、死に纏わるもので、胸が痛くなる。だけど、ひょこっと姿を現す「ナニカ」に導かれて裸足で駆けだしているうちに、暖かい気持ちになれる。これは、お天気雨みたい。あがると、希望が見えてきて、もう少し裸足のままでいたくなる。2012/08/01

みっちゃん

146
次男のオススメ本。どこにでもいるような、でもその不器用さ故に少しだけ生きるのに難儀している、心優しき人達。彼らに訪れるせつなく暖かいちょっとした奇跡。1番印象に残ったのは【シンデレラのお城】死んでしまった婚約者と暮らす(!)男性と「偽装結婚」した女性。最後にわかる彼女の本当の気持ちとせつなくて悲しい選択。ハッピーエンドとは言えない結末に「こうじゃないラストが良かったのに…」ともやもやしながら、あの後どうなったのだろう?と何だか気になっています。2014/10/03

machi☺︎︎゛

140
じんわりと優しさが広がってきてゆったりした気分になれる1冊だった。人の事を思いやる気持ちを持っている人は心に余裕があって素敵だな。と思った。短編集なんだけど全部が違ういい味を出していてよかった。特に表題作のモノレールねこが切なさと優しさとユーモアたっぷりで癒された。2020/07/10

とろこ

139
8話の短編集。哀しみや滑稽さの中にも、優しさや希望が見える本だった。動物ずきとしては、表題作の、猫のラストは変えてほしかった。「マイ・フーリッシュ・アンクル」と「ポトスの樹」は、一見ダメダメな男性が登場してイラッともするが、どちらも、ラストは心が温まった。個人的には、「バルタン最期の日」が好きだ。公園の池に住んでいた若いザリガニが、小学生のフータに釣られ、彼の家で暮らすことになる。ザリガニが語り手というのがツボ。タイトルから推測できるように、ザリガニは最期を迎えるが、きっと、幸せな一生だったことだろう。2017/04/19

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