介護入門

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  • サイズ B6判/ページ数 106p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163234601
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

29歳、無職に<俺>。寝たきりの祖母を自宅で介護し、大麻に耽る-饒舌な文体でリアルに介護と家族とを問いた、衝撃のデビュー作

内容説明

俺はいつも、「オバアチャン、オバアチャン、オバアチャン」で、この家にいて祖母に向き合う時にだけ、辛うじてこの世に存在しているみたいだ。第131回芥川賞受賞作。

著者等紹介

モブ・ノリオ[モブノリオ]
1970年、奈良県桜井市に生まれる。大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒業、同専攻科除籍。その後、さまざまな職業に就き、バンド活動なども経験する。2004年、「介護入門」で第98回文学界新人賞、同作品で第131回芥川賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

173
第131回(平成16年度上半期) 芥川賞受賞 第98回(2004年) 文學界新人賞受賞。 題名から、高齢化社会に おける介護の問題を えぐり出す話と勝手に 思ったのだが…現代に 生きる若者の祖母に 向き合う日々を描いた 内面の物語だった。 文体が、やや下品なのは 著者の意図なのだろうか。 若者と寝たきり老人、この 組み合わせは迫り来る日本の 姿なのだろうか。だが、あまりに ヤンキーっぽい口調は、読み続ける にはつらく、正直入り込めなかった。2014/02/15

R

61
介護に関わる絶望と不幸と誇りと少しばかりの愛情をラップの歌詞のように綴る文章。小説というのか、詩というのか、よくわからんが、読みにくいのは間違いないはずなのに、訴えようとすることはよく伝わってくるし、なんだかんだ、介護における辛さと、そこにまつわる世間と、浅瀬でもがく人たちを揶揄というか糾弾する内容は、非常に先鋭的で面白かった。著者が一方的に正しいわけではないのをあえて知りながら、メッセージを伝えるために歌うという、ブルースにも似た魂を感じる文章だった。面白い、そして介護をする人はとても立派だ。2021/06/28

たつや

29
第131回芥川賞受賞作。本物の介護入門ではありません。過去の受賞作を見ていて知りました。それまで、著者の存在すら知りませんでした。比べるのも、どうかと思いますが、「スクラップ・アンド・ビルド」とは打って変わって、ファンキーでポップな介護入門的、著者の体験談も交えた文学でした。アメリカの橋の上から投身自殺をしようとしている男とアブラムシの話が、短編のようで面白かったです。所々、文学的でうまいな。と思うところも多く、さすが受賞作と感心しました。でも、介護問題はもはや人ごとではないですね。金髪の著者とおばあさん2016/07/14

Shoji

26
作者の介護実体験を基にした私小説です。現代風に書かれています。ラップ調だったりアナキズムな表現があったり。物語の序盤は取っ付き難いものの、中盤以降はリズム良く読めた。さすが、芥川賞だなと思ったり、思わなかったり。芥川賞のツボみたいなものがあるのだろうけど、素人の私はまるで分かりませんわ。ではまた。2023/12/23

ichi

24
第131回芥川賞受賞作。最後までラッパーのような文体に馴染めず読みづらかった。大麻常習者の孫が祖母の介護をきちんと真剣に向き合っている話だけれど、もっと読みやすければ…。なぜ、受賞作なのか?理解できませんでした。2014/07/31

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