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聖水

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163198903
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「父」はなぜ「聖水」などを信じたのか?「佐我里さん」の正体は教祖か、詐欺師か?スーパーの経営権をめぐって繰り広げられる暗闘。死にゆく者にとって信仰とは、救済とは何なのか。―芥川賞受賞作をはじめ、ストーリーテリングの技が冴える四篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

161
第124回(平成12年度下半期) 芥川賞受賞。 表題作は死にいく者に おける信仰を死にいく父の姿を 通して描く。従兄弟の佐我里さんは 教祖なのか、詐欺師なのか。 浦上の今を辿りながら、昔を 語り合う…なぜか懐かしいのは 誰もが経験する行為だからなのだろうか。 「死んでいくには信心がいる」と 語る父の言葉が軸になって話は進むが。 聖水はこの世とあの世を繋ぐ水である、 という父の言葉が象徴的な…そんな話だった。 2014/05/17

あつひめ

32
青来さん初読み。芥川賞受賞作だそうで、どんな作品かとても楽しみにしてページを開いた。聖水…神の祝福がもたらされるよう聖別された水…。その水の元にドロドロとした死臭の漂うような水が流れ込みまた聖水によって薄まっていくような…。何と表現して良いのかわからないのが正直な感想。人の体の中を流れる水は産声を上げたときから次第に濁り始めるような…そんな気がしてならない。もっと青来さんの作品を読んでみたい。2011/11/06

大阪のきんちゃん2

6
表題作は第124回芥川賞受賞作品、他3篇を収録。 先ず、最後に配置された表題作を読んでから他の3篇を読みました。 どれもなかなか面白かったデス。 表題作と1作目は長崎が舞台、宗教に纏わる家族や周囲の人々との確執が物語の根幹を形成します。 2作目は転校した中学生が過ごした日々、有明海?の干潟で友達と泥んこまみれになってはしゃぎ廻る姿が印象的。 3作目がある意味一番良かったかも知れない。信長のゲームソフトの映画化っててっきり「信長の野望」かと思った!? 文章が読み易くてグロい場面も難なく読めてしまいました。2020/07/30

Maki Uechi

6
★★★☆☆ 文學界新人賞を受賞した『ジェロニモの十字架』芥川賞を受賞した『聖水』と、『泥海の兄弟』『信長の守護神』うーん。どの作品も悪くはないのだけれど…独特の言い回しというか癖があってあまり好きになれないのですんなり入ってこなかった。そしてどの作品もなんだか臭う。もう少し他の作品も読んでみないと何とも言えないけど又吉栄喜を読んだ時と同じような感覚になる。2016/01/30

plum

3
芥川賞受賞作品含む4編(ジェロニモの十字架,泥海の兄弟,信長の守護神,聖水)。「じつに様々な死があった」こと,切支丹や被爆者の躯。個々人の死生観の問題というより,動かせない事実としての「死」の様相が,辺境においやられた人間を飲み込んでいく様が描かれる。泥海の……は,共喰い(田中慎弥)の世界に近いような気がするが,少年の目がとらえたそれは,天高くて開放感があるものだった。我々は,「声」を聞かないように,残虐を見ないようにして,生活している。宗教も生活の方便にしてしまうほどに。2016/01/16

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