内容説明
30冊の警察手帳紛失に内部犯行説が…。男たちの矜持を描く迫真のミステリ。第53回日本推理作家協会賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
68
ミステリ短篇四篇。表題作「動機」は、署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。男たちの矜持がぶつかりあう、一括保管を提案した貝瀬が捜査を始めるが…。規則規律の遵守を信念とする『軍曹』退官目前の大和田、三人の息子が跡を継がず別の道を歩む父親としての寂しさ。表題作ほか、女子高生殺しの前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。女性新聞記者視点の「ネタ元」。公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」。主人公は入れ替わるが短篇ながら構成が素晴らしく上手い。2013/06/23
Tsuyoshi
37
表題作と3編の短編集。主人公は警察官、元殺人犯、新聞記者、裁判官とバラバラだがそれぞれ予測のつかない結末で面白かった。特に「逆転の夏」「密室の人」が良かった。2017/06/16
かずよ
36
まさに動機があって事が起こった短編。読んでて苦しくなって、ズーンと気分が重くなる話しばかりでした!2013/04/03
mazda
22
重厚感のある作品、という感じ。短編ではあるけど、同僚と対峙する姿勢や、事件の裏にある部分の描写がすごくうまいと思います。次は長編を読んでみたいです。2012/10/25
ミーコ
19
さらりと読めた1冊。『逆転の夏』の、どんでん返しが面白かったです。『密室の人』は哀しくなります。横山さんの作品は 胸に響きます。が やはり長編が読みたくなります。2013/02/12