体は全部知っている

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163195100
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

神様はもしかして人間を愛しているのかもしれない。日常に慣れることで忘れていた、ささやかだけれど、とても大切な感情―心と体、風景までもがひとつになって癒される最新短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

36
吉本ばななの「魂の色」って何色なんだろう?渾沌とした世情、憎しみ、悲しみ、苦しみ、孤独、葛藤、愛、家族、疎外感、そして何と言っても「体」について、考えられないような素朴で透明なことばをつかって言語化できないものを言語化するっていうのかな?ナラティブにしていく。そのすごさに胸がいっぱいになる。そして、彼女の小説を僕は寝る前に読むことにしている。まるで、小さい僕を寝かせる前に読聞かせてくれた絵本のように吉本ばななを読む。この世界がどんなに裏切り、憎しみ、戦争、悲しみにみちていたとしても安心して眠りにつける。2013/10/09

*asami*

15
久しぶりにばななワールドを堪能。13の短編集で、夜寝る前に一編ずつ読んだ。どれも読後感がいいので寝付きがよかった。そして、描写やセリフが、朝目覚めた時にもまだ心に体に留まり続けているものがたくさんあり、なんだか寝覚めもよかった。2016/05/15

スノーシェルター

14
もうなんなんだろう。どうして読んでいるうちに涙が出るのだろう。悲しいのではなく、スイッチを押されたような、胸がギュッと締め付けられるような、うまくいえない感情。ばななさんの本はいつもこうなる。素敵な短編集。2012/09/02

リリー・ラッシュ

8
昔から知ってるのに、吉本ばななさん初読みです。『体は全部知っている』って、とても変わった題名だなぁと思ってましたが(表紙も)、お気に入りさんのレビューを見て、読んでみたくなりました。読み終えて、題名に納得。自分の体の声に静かに耳を傾けると、「自分の中の深いところに押し殺してきた気持ち」が分かり、そしてそれはとても大切なこと。「止めることのできない時間は惜しむためだけでなく、美しい瞬間を次々に手に入れるために流れていく。」印象的な言葉です。『みどりのゆび』がお気に入り。吉本さん、他の作品も読んでみます。2015/04/27

パセリセパ

8
人と人の間、人と物の間の空間に漂う目には見えない様々。そういうことを描くのがうまいです、ばななさん。 ばななさんの本は、なんでもないようなことが書かれているんだけど、その物語は色やイメージとなって、記憶に沁みるんです。だから、疲れたときの甘いミルクティーのようだと思うのです。ホッと癒されるのです。2012/07/25

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