出版社内容情報
諦念をひめた静かな叙情。藤沢さん二十代の療養生活、みじかい句作時代の百余句。その明澄な世界は藤沢文学の源泉そのものである
内容説明
著者は郷里で肺結核と診断され上京、北多摩の療養所に入院した。二十六歳の冬である。手術後、句作をはじめ、所内の同人句誌や静岡の俳誌に作品をよせる。それは、みじかいけれど真剣で充実した時間だったという。「初鴉病者は帰る家持たず」をはじめとする悲歎と諦念をこめた句や、「軒を出て狗寒月に照らされる」など鮮烈な写生句が、あわせて百あまりのこされた。
目次
「海坂」、節のことなど
「海坂」より
「のびどめ」より
拾遺
随筆九篇