出版社内容情報
借金を残して父が逝き、極貧のバイト暮らしを余儀なくされた大学生・哲之。彼の挫折と再生を土田世紀が骨太なタッチで描いた話題作
感想・レビュー
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1998年刊。月刊コミックビンゴ98年1月号〜5月号掲載。宮本輝の小説「春の夢」(文春文庫刊)をマンガ化したもの。宮本輝の小説は好きで、「春の夢」も昔に読んでいたが、その「春の夢」がマンガ化されていたとは全く知らなかった。小説を読んだときは、何といっても柱に打ち付けられたトカゲのキン、そして貧乏暮らしの若い男とその男の健気な彼女、その構図がいつまでも印象に残っていた。常に生と死の影がある。作画の土田世紀も40代の若さで亡くなったと知ったときはリアルタイムだったが、そちらも驚いたものだった。2020/12/26