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ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学

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  • サイズ 新書判/ページ数 363p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784153200029
  • NDC分類 491.37
  • Cコード C0245

内容説明

「生物学におけるDNAの発見に匹敵する」と称される、マカクザルで偶然みつかったミラーニューロンは、他個体の行動を真似るかのように発火する脳神経細胞だ。最新の研究で、この細胞はヒトにおいても、共感能力から自己意識形成に至る、じつに重要な側面を制御しているらしいことが明らかになってきた。ミラーニューロン研究の先端を切り開いている第一人者がこの細胞の意義を自ら、近年行なわれている驚くべき脳撮像実験などの詳細を紹介しつつ解説する。

目次

第1章 サルの「猿真似」
第2章 サイモン・セッズ
第3章 言葉をつかみとる
第4章 私を見て、私を感じて
第5章 自分に向きあう
第6章 壊れた鏡
第7章 スーパーミラーとワイヤーの効用
第8章 悪玉と卑劣漢―暴力と薬物中毒
第9章 好みのミラーリング
第10章 ニューロポリティクス
第11章 実存主義神経科学と社会

著者等紹介

イアコボーニ,マルコ[イアコボーニ,マルコ][Iacoboni,Marco]
イタリア生まれの神経学者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイヴィッド・ゲフィン医科大学院の精神医学・行動科学教授。同大のアーマンソン=ラブレース脳地図センターを拠点とし、独創的な脳撮像実験を駆使してミラーニューロン研究をリードする

塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家。立教大学文学部英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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gonta19

30
2009/5/29 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2012/11/15~2012/11/29 新書で出されているが、ほぼ学術書的内容。ミラーニューロンの発見からそれが我々の行動や感情に及ぼす影響まで幅広く紹介されている。脳の研究は面白いなあ。生まれ変わることが出来るなら、こういう分野の研究者になりたいな。2012/11/29

吉野ヶ里

22
運動を司るニューロンの中で他人の行動に対し、自分が行動したかのように反応するニューロンが発見された。このミラーニューロンは動作だけでなく、動作の背景の意図もシュミレートするようだ。ミラーニューロンの存在が我々の共感能力を形成する上で重要な役割を担っている。模倣行動や観察を繰り返すことでミラーニューロンは強化される。我々は物事を選択出来る「自由意志」があると信じてきたが、ミラーニューロンはこの信念に問題をつきつける。他人の意図が無意識下で、自分の意志をコードしている可能性。2016/04/27

liverpool0810

4
「DNAが生物学の分野に果たしのと同様の役割を、ミラーニューロンは心理学の分野で果たすだろう」とも称されているミラーニューロンについての解説書かつ啓蒙書。専門用語が多少出てきますが、文系の人間でも十分読めます。ミラーニューロンとミームの関係など興味深い点も多々あり、大変刺激的で面白く、この発見が他分野にどのような影響を与えるのか、注目です。2010/02/02

Omelette

4
『ミラーニューロン』は猿の脳の、細胞レベルでの話が多かったが、こちらは脳撮像実験にもとづく知見がほとんど。対象がほとんど人間であるからだ。著者はミラーニューロンが、人間が社会をもつ上でもっとも基礎的な役割を担っていると考えている。人の話なので、実感することも多く、読みやすくおもしろい。ただ、あまりに啓蒙書でありすぎる。的中した実験ばかりでなく、うまくいかなかった実験も知りたかった。現時点では性急な主張もみられた。2010/01/08

GX

3
「私たちはミラーリングをー他人の心が感じた経験を自分の脳内でシミュレーションすることをー通じてしか、他人の感じていることを深く理解できないような気さえする」⇒この辺が「共感する」ということなのでしょうね。2016/03/21

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