出版社内容情報
昨年十二月に逝去した水玉氏が、SFマガジンに十年にわたって連載したエッセイコミックがついに単行本化。
内容説明
人がSFファンとして生きるとは、どういうことか?2014年12月に急逝した著者が、SFマガジン誌に10年にわたって連載したコミックエッセイが、ついに単行本化。
著者等紹介
水玉螢之丞[ミズタマケイノジョウ]
1959年埼玉県生まれ。漫画家、イラストレーター。2014年12月逝去。享年55(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hanchyan@自己ベスト更新
44
こてんぱん。完膚なきまでに打ちのめされた。膝を屈したグラウンドに土砂降りの雨が降ってきたような気持ち。掘り下げる作業って、すり鉢型かボウリング型かと思ってたけど、この方は漏斗状だった。その広範かつ深い洞察に眩暈がし、怜悧な考察とあの愛くるしいイラストが、まるで深淵の闇と天上の光を本の見開き、たったその2ページで同時に見るような。ご自身をもバッサリと斬るぶれない批評眼。この方が10000光年なら自分なんか1兆光年だよ。トホホ。ものすごく優れた時評であり優れた評論集であり優れたガイド。座右の書がまたひとつ。2015/10/13
そうたそ
32
★★★☆☆ 昨年の十二月に逝去したイラストレーターの水玉さんがSFマガジンに十年に亘って連載したエッセイコミックを収録した一冊。恥ずかしながら、著者のことは全く知らず、この本を手に取って初めて知ったというのが正直なところだが、独特の味わいあるイラストと、ユーモアあふれる語り口が非常に印象的。最初こそSFに関する内容も多かったが、後半になるにつれ次第にSF要素は薄まり、オタク的要素が強くなっていったのが印象的。作者自身が楽しんで書いていることが伝わってくるような内容だし、一つ一つに力が入っていると感じた。2015/09/29
くさてる
31
昨年急逝された著者が、22年にわたりSFマガジンに連載されていたコミックエッセイの最初の十年分をまとめた一冊。読み応えがあるなんてものではな い細かさと充実した内容に、一気にはとても読めずに少しずつ噛み砕くように読み進めた。その当時の世相やオタク界のはやりすたりも懐かしく、可愛いイラストや著者ならではの自在なツッコミも楽しいけれど、そこかしこで語られる「SF者」としての自意識とそれを突き詰めていく視線の確かさと、因果な感じがいちばん、響きました。続刊も待ちます。2015/08/04
瀧ながれ
30
こういう本を読むと、自分の読書量や知識なんて、まったくたいしたことないなあと思います。わたしは「SF者」ではないので、登場するさまざまな作品のほとんどを知らない(タイトルはほとんどわかるという中途半端さに恥じ入るばかり)のですが、饒舌な書き文字やピンポイントなイラストから、ニュアンスがなんとなく理解できるのが不思議というか、同時代性かなあ。「そうそう。わかるわかる」と笑いながら読みました。次は登場タイトルをメモしながら再読します。続編の刊行も待ってます。2015/08/13
すけきよ
24
現在過去未来における、オタクの妄想・ぼやき・慟哭の全てが、すでにここに記されています。2015/11/11