兵士たちの肉体

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兵士たちの肉体

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  • サイズ A5判/ページ数 444p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152094063
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アフガニスタンに派兵されたイタリアの若者たちの孤独、性、葛藤を瑞々しい筆致で描きながら、現代の矛盾に鋭く迫る二十一世紀の戦争小説。世界的ベストセラー『素数たちの孤独』著者の最新長篇。

内容説明

灼熱の大地の真ん中、アフガニスタンの紛争地域に派兵されたイタリア軍の若き兵士たち。危険ではあるが、たった数カ月の任務のはずだった。故郷から逃げだしてきた者、ひとりぼっちの母親を残してきた者、妊娠した女を残してきた者、オンライン上の仮想恋人に依存する者…それぞれの事情を抱え、孤独を噛みしめ、性をもてあます彼らの中には、愛情と憎しみが芽生えつつあった。そして、ようやく任地に慣れてきた頃、その後の人生を大きく変えることになる、忘れえぬ出来事が起こった―。砂漠への強行軍にのぞんだ若者たちは、何を見たのか?世界的ベストセラー『素数たちの孤独』の著者が紡ぐ、21世紀の新しい戦争文学。

著者等紹介

ジョルダーノ,パオロ[ジョルダーノ,パオロ] [Giordano,Paolo]
1982年、トリノ生まれ。トリノ大学大学院博士課程修了。専攻は素粒子物理学。2008年、デビュー長篇となる『素数たちの孤独』(ハヤカワepi文庫)がイタリアでは異例の二百万部超のセールスを記録。同国最高峰のストレーガ賞、カンピエッロ文学賞新人賞など、数々の文学賞を受賞した

飯田亮介[イイダリョウスケ]
1974年生、日本大学国際関係学部国際文化学科中国文化コース卒、中国雲南省雲南民族学院中文コース履修、イタリア・ペルージャ外国人大学イタリア語コース履修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュシュ

22
アフガニスタンに派遣されたイタリア兵士たち。それぞれに背負ったものも描かれていて、途中からは一気に読んだ。若者たちが集まれば、嫌な奴もいるし、馬が合わない奴もいる。でも、どんな人間でも、戦闘を経験したら、生きて帰ったとしても、その後は人生が変わってしまう。薔薇の谷の場面が悲しかった。2020/07/22

キキハル

21
称賛すべき戦争などない。アフガニスタンの砂漠でタリバンとの戦争に従事するイタリア陸軍。レネー率いる第三小隊の面々と医師のエジットを中心に描かれた物語。基地の生活はリアルで、戦闘場面よりも兵士個人にスポットを当て、彼らが抱える苦悩や故国で待つ家族や恋人の問題が重い。理不尽な命令に従うことも、いざという時に足が竦む臆病さも、仲間を助けに行く勇気も、兵士ならば持ち合わせている。けれど彼らの肉体は地雷一つで弾け飛ぶほど弱い。では精神は?この本は実際の事件を基にしているという。現地では未だに活動が続いているらしい。2013/11/26

りつこ

18
今の生活から逃れたかったり、情けない自分を変えかったり、英雄になりたかったり…。兵士になった理由はそれぞれだが、戦場で敵に会えば木っ端微塵にその肉体は散ってしまう。兵士たちの背景や内面を丁寧に描いているからこそ、戦闘シーンの圧倒的な破壊力に胸が潰れる思いだ。こんな体験をしたら誰だってもとの自分には戻れないだろう。戦争を肯定する人たちには想像力がないとしか思えない。2014/01/01

春ドーナツ

10
「素数たちの孤独」がデビュー長篇となるイタリア人作家の二作目。「素数」は新潮クレスト・ブックスの理系ノンフィクションで確か読んだけれど、二作目で小説? あれっと思いながら、読了後「素数」を検索してみたらハヤカワepi文庫の小説だった。感想を残していなかったので表紙を見て、なんか見覚えがあるなと思う程度で完全に記憶が欠落している。イタリアの兵士というと、塩野七生さん関連で古代ローマ軍しか知らなかったので、アフガン戦争でPKOみたいな感じでイタリア軍も関わっていたことは全く知らなかった。とりとめもない話だな。2017/07/06

まこ

9
欲を中心とした戦場での日常をユーモア交え、仲間の死を経て戻ってきたら心身共に何か変化があった。姉の苦悩を受け入れたエジットがマシなくらい、変化がエグい。少年漫画の主人公っぽいイエトリにも、手紙のシーンが大きな見せ場のサルヴァトーレにも死は平等に降りかかる。レネーが冒頭で連れていた相手の正体は考えたくないなぁ。2022/12/03

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