「感情」の地政学―恐怖・屈辱・希望はいかにして世界を創り変えるか

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「感情」の地政学―恐怖・屈辱・希望はいかにして世界を創り変えるか

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152091185
  • NDC分類 319
  • Cコード C0031

出版社内容情報

国際情勢を動かす真のファクターは、経済でもなければ軍事でもない。非合理で主観的な「感情」である──ハンチントン、フクヤマを凌ぐ国際政治の世界的権威が放つ、新たなパラダイムを示す傑著
17世紀の魔女狩りから9.11テロ事件にいたるまで、建国以来「恐れの文化」にとらわれてきたアメリカ。
EU発足後も足並み揃わず、移民などの「他者」に怯え、「恐れの文化」をアメリカと共有しつつも対立するヨーロッパ。
西洋世界への歴史的屈従がもたらす、「屈辱の文化」にゆれるアラブ・イスラム世界。
そして、中国とインドの急激な経済成長に牽引される、「希望の文化」で覆われたアジア――。

3つの「感情の文化」の衝突は、これからの世界をどう形作るのか? 「希望の文化」に満ちたアジア世界で、唯一「恐れの文化」に属する日本がとるべき道とは? 2025年の世界情勢を支配するのは「恐れ」か、それとも「希望」か?

「感情で動く世界」の全貌を描き出し、国際政治分析に新たなパラダイムを示した話題の書、待望の邦訳。

■ドミニク・モイジ(Dominique Moisi)
ヨーロッパを代表する国際政治学者の一人。
1946年パリ近郊ヌイイ生まれ。フランスを代表する国際問題のシンクタンクである、フランス国際関係研究所(IFRI)共同創設者・上席顧問。現在ハーヴァード大学政治学部客員教授。他に欧州大学院大学教授、およびパリ政治学院教授も務める。また国際問題の論客として、フォーリン・アフェアーズ誌、フィナンシャル・タイムズ紙、ニューヨーク・タイムズ紙など幅広いメディアで言論活動を展開している。

内容説明

中・印・パの「恐れ」がアジアを覆い、2025年、日本は核を保有する?「感情の衝突」こそが、戦争を引き起こす―。国際政治学の権威による、真の覇権構造を示す話題の書。

目次

序章 感情の衝突
第1章 グローバリゼーション、アイデンティティ、そして感情
第2章 希望の文化
第3章 屈辱の文化
第4章 恐れの文化
第5章 特殊な事例
第6章 二〇二五年の世界

著者等紹介

モイジ,ドミニク[モイジ,ドミニク][Mo¨isi,Dominique]
ヨーロッパを代表する国際政治学者の一人。1946年パリ近郊ヌイイ生まれ。フランスを代表する国際問題のシンクタンクである、フランス国際関係研究所(IFRI)共同創設者・上席顧問。現在ハーヴァード大学政治学部客員教授。他に欧州大学院大学教授、およびパリ政治学院教授も務める。また国際問題の論客として、フォーリン・アフェアーズ誌、フィナンシャル・タイムズ紙、ニューヨーク・タイムズ紙など幅広いメディアで言論活動を展開している

櫻井祐子[サクライユウコ]
翻訳家。京都大学経済学部卒。大手銀行在籍中にオックスフォード大学院で経営学修士号を取得。金融・証券業界、政府関連の実務翻訳から一般ビジネス書の翻訳まで幅広く手掛けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

27
喜怒哀楽。人のみならず、国家に社会の観点。変化への起爆剤。恐れ、屈辱、そして希望。IdeologyからIdentity。3つの文化圏の狭間の日本。カメレオンか・・・。一方、”屈辱”の文化では、地政学以上に宗教や歴史が齎す不安定さがキモという気がする。2025年の予測も、”希望”に若干違和感があるも、他は想定範囲内でSurpriseは少ない。改善と挑戦に立ち向かい、希望を皆が持つこと!かな。(笑)2014/06/16

Kentaro

7
アメリカの主要な外交パートナーの座をインドに奪われ、中国がアメリカの重要な経済パートナーと世界的ライバルの座に就いた事を、日本はいやというほど思い知らされている。今や将来に対する漠然とした不安感に襲われている。1960から70年代にかけて日本を支配した希望は、恐れにとって代わられつつある。韓国や台湾などの国は、かつての占領国である日本に、自分たちも世界経済の舞台で優れた実績をあげられることを見せつけようとした。良い屈辱として作用するため、希望の持てる政治、経済状況や、失意の国民を奮い立たせることが必要だ。2018/11/06

yooou

7
☆★★★★ 期待以上に香ばしいネオコンの駄法螺。いまだにブッシュの太鼓持ちしてるのにも呆れ返るばかりだ。この本で引用されているものも含め、こんな奴等がいることを知る上では非常に参考になるでしょう。2010/05/23

ichiro-k

6
宗教・民族・地域など集団の「アイデンティティ」を切り口に「希望・屈辱・不安・例外」というキーワードの大きな括りで分析をし、15年後の予見をしている。感情には「希望→自信→繁栄→傲慢→不信→停滞→不安→衰退→屈辱→破壊→無秩序→混乱」のいわゆるライフサイクルがある。現状の日本は「不安」の段階。最終章で「悲観的な結論」はまったくの荒唐無稽なこととは思えない。2010/03/19

Kazuo

5
本書は、国際関係分析の伝統的なツールである「バランスオブパワー」「バンドワゴン」等に、「感情」を加えることによってより正確にそれを理解しようとするものである。「恐れ」「希望」「屈辱」の三つを基本感情として分析を進め、理解も深まる。しかしながら、『なぜ、「私」は本質的には、「私の日常生活」に関係ない「私の国」を侮辱された場合(外交官が国際会議で面罵された、国境線を超えて他国の軍隊が挑発してくる等)に、「屈辱」を感じるのか』という、『ナショナリズム』の問題については、何も言及されない。自分で勉強し考えよう。2015/04/19

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