内容説明
乳歯と永久歯が混在、精密把持のできる手、鉤爪ではない平爪、樹間を飛び移る脚…。良質化石のメッカ、メッセル・ピットから出土した、保存率95%、4700万年前の世界を闊歩した古生物の化石「イーダ」がヒトの起源に新たな光をもたらす。
目次
第1章 イーダの発見
第2章 イーダの物語が始まる
第3章 イーダが生きた始新世の世界
第4章 メッセルピット
第5章 霊長類はいかにして生まれたのか?
第6章 霊長類の進化
第7章 始新世から現代まで
第8章 イーダとは誰か?そして何者か?
第9章 イーダを世界に紹介する
著者等紹介
タッジ,コリン[タッジ,コリン][Tudge,Colin]
1946年ロンドン生まれ。生物学者・サイエンスライター。ケンブリッジ大学ピーターハウス・カレッジで動物学を専攻。「ネイチャー」、「サイエンス」、「ガーディアン」ほかの各紙誌に寄稿
柴田裕之[シバタヤスシ]
早稲田大学・Earlham College卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん山のみかん
4
「ヒトの起源についての格好の入門書」という書評を読んで手に取ったけど、私には難しかったです。読み返しては進むの繰り返しでした。どれぐらい理解できたのか自分でも疑問です。それでも、イーダが私たちの祖母か大叔母である可能性があり、稀有な保存状態を保つ4700万年前の化石であることにひどくわくわくしました。それにしても、ミッシングリンクどれぐらい発見すれば、進化論は完璧になるのでしょうかね。2012/12/15
Tatsuya
4
まず、口絵のメッセル・ピットから発掘された化石群の写真が凄まじく美しいのに惚れ惚れした。凄い保存状態の化石だ。イーダの系統的な位置については、これから色んな説が出てくるんでしょうね。そういう意味ではちょっとこの本はタイトル詐欺的なとこもあるけど、新生代初期の環境や、霊長類の進化についてわかりやすく解説している本として読めば良い本だったと思う。2010/07/29
takao
2
いわゆるミッシング・リンク。ドイツで発掘された4700万年前の小型生物の化石は霊長類だった。2022/04/23
ゆずこまめ
2
確かに化石の状態がとても良い!研究のしがいがありそう。まだきちんと研究される前の十はのようなので、その後研究がどうなったのか気になる。2021/09/07
Hiroshi Takeshita
2
自分は何者なのか?という問いは普遍的だが、古生物学は明確にそれに応えてくれる。それはこの世の成り立ちであるとか、世界とは何ぞや?とかも引っくるめての事。この大きな流れに身を任せる快感は、何物にも変え難い。癒される、この上なし。2021/02/17