内容説明
遙か昔の神話の時代、オリュンポスの神々はギリシアで栄華を極めた。だが、時は現代、ロンドンに移住した神々は困窮に喘いでいた。月と狩りの女神アルテミスはドッグ・シッター、美の女神アプロディテはテレフォン・セックスのオペレーター、そして太陽神アポロンはいんちき霊能者としてかろうじて生計を立てていた。神々は神通力を失いつつあり、将来に希望はない…。ある時、アプロディテの策謀によって、アポロンが人間の女性に一目惚れすると、世界存亡をかけた大騒動が巻き起こる!英米で絶賛と爆笑の嵐を巻き起こした、期待の新鋭によるコミック・ノヴェル。
著者等紹介
フィリップス,マリー[フィリップス,マリー][Phillips,Marie]
1976年ロンドン生まれ。現在も同地在住。大学で人類学とドキュメンタリー映画制作を学んだ後、テレビ業界で二年間勤務する。やがて退職し、書店で働きながら執筆活動を開始。「ガーディアン」「タイムズ」「エル」「マリ・クレール」他、英米の主要紙誌で絶賛を浴びた『お行儀の悪い神々』で華々しくデビューした
青木千鶴[アオキチズル]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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るぴん
24
図書館本。キリスト教が広まり、衰退したオリュンポスの神々がロンドンに移住。アルテミスはドッグ・シッター、アプロディテはテレフォンセックスオペレーターとして生計を立ている零落ぶり。設定だけで既に面白い!『聖☆お兄さん』や『神様の御用人』の西欧版とも言えるけれど、みんな利己的で自堕落なのはさすがギリシャ神話の神々(^_^;)特に自己都合で世界を危機に陥し入れるアポロンの最低なこと…。本当に笑えるくらいのクズ野郎ぶり。アポロンの恋敵で一応勇者のニールのイメージとして、ねずみ男しか浮かばなくて困った(笑)。2016/09/06
み
23
あぁ神様が、ばかばかしいお姿に…。2016/05/03
冬見
17
はちゃめちゃに面白かった。コミカルで思わず声を上げて笑ってしまうエンタメ小説でありながら、児童文学のような厳しくも柔らかい雰囲気を漂わせた不思議な作品。アルテミス推しのわたしには最高の本だった。アルテミスかっこいい〜! アポロンがどこまでもアポロンで、台詞や挙動の節々からアポロンが溢れてた。冥界夫婦もよかった。どこまでも自分の利益を追求する神々の姿勢が最高にギリシャ神話っぽくて好き。オリュンポスの神々はこうでなくちゃ。幕切れはお伽話のようなハッピーエンド。2017/09/13
はんみみ
14
うはは、楽しい。「ゼウスさんのとこはわりと人間界のノリだからね……」©聖☆おにいさんの、ゼウスさんのとこの神々が零落して、人間世界でどうにかこうにか生きている姿、海外テレビドラマ化してくれないかなー特に前半。冒険シーンは地味な主人公カップルに相応しい地味さだったけれど、こういう市井の人々がいつの間にか世界をかえた、というクライマックスでもあったかな。*敬虔なクリスチャンになりたいエロスがなんともいいキャラ。2016/08/25
すけきよ
6
てっきり、もっとロマンス成分が強い作品かと思ったら、意外にファンタジー。つまんなくはないけど、別に感想もそんなにないなぁ。そもそも似たような『アメリカン・ゴッズ』を読んだばかりで分が悪い。しかもあっちの方が面白かったし。世界の危機は終盤に入ってからなので、個人的にはこれをもうちょいメインに持ってきて欲しかったような。報われない眼鏡っこのアテナに萌えるのが吉(笑)2009/03/25