内容説明
ウルビーノ公フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロが遺した謎の暗号書簡。近年発見・解読されたこの密書が示すのは、恐るべき国家転覆計画の全貌だった…。衝撃の歴史ノンフィクション。
目次
第1部 一四七六年冬~一四七八年春(ミラノのMは殺人のM;過度の用心;すべてが語られた ほか)
第2部 一四七八年春~一四八二年夏(フィレンツェのFは恐怖のF;過激な手段;生命の危機 ほか)
第3部 システィーナ礼拝堂とボッティチェリの“春”(不吉な終焉)
著者等紹介
シモネッタ,マルチェロ[シモネッタ,マルチェロ][Simonetta,Marcello]
米ウェスリアン大学助教授(イタリア史・イタリア文学)。1968年イタリア・パヴィーア生まれ。ローマ大学サピエンツァ校卒業後、ドキュメンタリー番組制作に従事。その後渡米し、イェール大学にて、15世紀後期における政治と人文主義の密接な繋がりを研究。2001年、イタリア文学および歴史の分野で博士号を取得
熊井ひろ美[クマイヒロミ]
翻訳家。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆか
36
イタリアの名前って「ッ」が多いせいか、とにかく登場人物の名前に苦労した。忘れた頃に出てくる人もいて、あなた誰でしたっけ?状態。巻頭に登場人物の目録みたいな物がついてたのは助かった。戻ったり、行ったりしてたので、なかなか頭に入らず。日本で言えば室町時代。力を持つものが何でも許された時代。そんな時代の書物や絵が残ってるのはスゴイ事。当時の絵が出てくる度に見入ってしまいました。2017/06/05
ik
4
暗号書簡を解読し、パッツィ家の陰謀にモンテフェルトロがいかに関わっていたかを実証していて非常に面白い。『イタリアの鼻』で紹介されていたのでこの書を手にとったのだが、どちらも人文主義時代の傭兵隊長の鑑として祭り上げられてきたフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロの狡猾で策謀家的な側面を極めて明瞭に暴き出している。ノンフィクション風に仕上げられているので新史料を解読して編まれた歴史書としては色が付きすぎてしまうことが少し危うげにも思えるけれど、そのおかげで大変読みやすかった。2018/04/05
ユーディット
2
ちょっと変わった内容。本格的な歴史研究に基づいて、歴史小説風に書いてある。最近はこういう風じゃないと売れないのかも知れない。非常に読みやすい反面、あまりにドラマ仕立てだとどこまで信じていいのか分かりづらい。最も印象的なのは一般的には全く名前の出てこないチッコ・シモネッタというミラーノの書記官を中心人物の一人に据えている点。著者がその末裔というから思い入れたっぷり過ぎのきらいありも興味深い。パッツィ家の陰謀はルネッサンス=フィレンツェ史には欠かせない大事件なのでどこにでも出てくるが『ロレンツォ・デ・メディチ2012/03/09
ヒラタ
1
作者が先ず登場人物の子孫、それだけではなくその祖先の残した文から暗号化されている手紙を読み解くというまるでドラマのような体験。読んでいて楽しかった。システィーナ礼拝堂のラファエロの作品の解釈もそうなのかもと思いましたし、ミケランジェロに祭壇の絵を書き直させた教皇クレメンス7世もメディチ家、歴史と残された美術作品との繋がりを改めて感じました。2021/09/13
ゆっこ
0
図書館。「事実は小説よりも奇なり」と言う言葉がピッタリ当てはまる。イタリアの地理に弱いのでなかなか理解が難しかったけど、面白かった。2009/11/26