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ホメイニ師の賓客〈上〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克

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  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088246
  • NDC分類 319.263
  • Cコード C0022

内容説明

1979年11月4日、テヘランのアメリカ大使館を、アーヤットラー・ホメイニを精神的支柱とする急進的イスラム主義の学生たちが占拠した。国民を抑圧したパフラヴィー前国王の身柄引き渡しを求める穏健な抗議行動は、事態を政治的に利用しようともくろむ勢力の参入で統制が失われ、結果66名のアメリカ人の大半を人質として1年以上も監禁する事態に発展する。往年のCIAによる内政干渉が遠因であるとはいえ、外交慣習を冒涜するこの暴挙は全米を震撼させ、ときのカーター政権に行動を促す声が沸きあがる―しかし人質の安全確保を最優先とするとき、まっとうな外交が機能しない国を相手にいったいどんな解決手段が残されているというのか?劣悪な環境のもとで人間の強さと弱さを曝け出した人質たち、救出手段を模索して苛立つカーター政権、絶望的な難題に挑むデルタ・フォース、日和見的なホメイニに翻弄される両国の交渉者たち…膨大な数のインタビューや現地取材から、それぞれの過酷な444日間を克明かつ劇的に再現。現代にも続く相克の決定点となった事件の全貌を描く。『ブラックホーク・ダウン』の著者、ボウデン渾身のノンフィクション大作。

目次

1 “セット・イン”―一九七九年一一月四日 テヘラン
2 スパイの巣窟
3 待機

著者等紹介

ボウデン,マーク[ボウデン,マーク][Bowden,Mark]
米国随一のノンフィクション作家。「フィラデルフィア・インクワイアラー」で20年の記者経験があり、ソマリアにおける米軍の死闘を描き映画化もされた『ブラックホーク・ダウン』や、米・特殊部隊によるコロンビアの麻薬王暗殺の一部始終を活写した『パブロを殺せ』など、膨大な取材によって特定の事件を臨場感豊かに再現した作品は世界中で賞賛を浴びている。フィラデルフィア近郊に在住

伏見威蕃[フシミイワン]
1951年生まれ、早稲田大学商学部卒。英米文学翻訳家。豊富な軍事知識を生かした緻密でレベルの高い翻訳で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

jj

6
2007年刊。79年イラン米国大使館占拠事件。学生による占拠から生活を含む人質エピソードまで。上巻。当時の米国はベトナムの敗北、ウォーターゲート事件、CIA・FBI職務乱用、OPEC石油輸出禁止による混乱により、無敵な自由世界のリーダーが突如として力を失い、腐敗し、無能と侮辱されるに至った時代。米国失意の10年を強調するのが本事件という。当時の大統領は若き日のトランプ氏も無能扱いするカーター。本書を読み進めると、現在の米国と違い、弱体化した米国とその無能な指導者による決定出来ない米国を垣間見る事が出来る。2017/06/08

takao

3
ふむ2024/02/01

鋼鉄みかん

1
1979年11月に発生したイラン・アメリカ大使館人質事件を、主に人質の視点から描写する一大ドキュメンタリーです。革命の混乱の中で組織的な犯行を計画実行していく過激派とそれに扇動された学生達、混乱の渦中に突如放り込まれる大使館職員達の苦闘を克明に再現して行きます。職員それぞれの状況判断、心情、過激派学生達への印象、アメリカ政府とイラン革命政府のすれ違い、事件を俯瞰する上では必読の1冊であることは間違いないでしょう。なお、テヘラン内に秘密裏に潜伏し、脱出した6名の職員については『アルゴ』を読むことをオススメし2013/01/19

彩也

1
革命直後のイラン、アメリカ大使館がイスラム主義学生たちによって占拠され、大使館員ら66名が人質となる。当初の計画では「数日間の穏健な抗議行動」のはずだったが、いつしか計画は崩れ、事件は444日も続くことになる。劣悪な環境に置かれた人質たちは、反抗的な態度を取る者もいれば、犯人におもねる者やコミュニケーションをとろうとする者、内省したり宗教にすがったりと様々。また犯人側も様々。大国・アメリカといえど、軍事力にモノを云わせて、国民が納得するような「強い外交」が出来るとは限らない。2011/01/29

roxy001960

1
予想以上に面白いです。イランのアメリカ大使館人質事件があったことは知っていましたが、あまり詳細は知りませんでした。人質や事件に関与した人たちの行動や心境の詳細な描写だけでなく、その背景や当時のイランの状況も判ります。下巻にも期待。2010/09/05

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