ハヤカワSFシリーズ
ハイドゥナン〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 457p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152086563
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

与那国島の伊波岳志は、海中の遺跡ポイントが“14番目の御獄”であることを突き止めた。時を同じくして、水深6000メートルの南西諸島海溝では、深海調査船“しんかいFD”のパイロット・武田洋平が巨大な人工構造物を発見していた。その符合を検証する南方洋司ら科学者の目的は、地殻変動を食い止める唯一の鍵“SEIC(圏間基層情報雲)理論”の実践にあった。しかし、事態はすでに切迫していた。遺跡ポイントへの祈りを通して地中世界を垣間見た後間柚は、「大地の炎が琉球を焼き尽くす」という神の予言を聞く。いっぽう、海底資源を狙う中国の干渉が激化するなか、ついに海底火山が噴火、破滅へのカウントダウンが開始される…構想5年、執筆3年、2000枚の超大作、堂々完結。

著者等紹介

藤崎慎吾[フジサキシンゴ]
1962年東京都生まれ。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌の編集者・記者などを経て、1999年に長篇『クリスタルサイレンス』で作家デビュー。同書にて「ベストSF1999」国内篇第1位を獲得。以後、『蛍女』『ストーンエイジCOP』などの作品で、新時代の本格SFを担う書き手として期待を集めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Book Lover Mr.Garakuta

11
読むのに疲れたけど、読み応えもあり、様々な知識を要求される点が面白い2019/06/22

たみ

8
海底火山と深海と科学者と巫女のSF小説下巻。長い長い旅の物語。目に見えないくらいに小さなものが、視界におさまらないくらいに大きなものを左右している。今巻は個人的に仲宗根さんがツボでした。ちょい役だけど、こういう人って好きだ…かっこいい(只見さんは上巻からずっとツボ) 痛ましい箇所もあったりでズバッとめでたしめでたしで終わるストーリーではないのに、読後は優しい気持ちになりました。未来に繋がっている。2014/08/30

柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中

6
日本のハードSFとして、最近読んだものでは上位に入ります。上巻より下巻が物語としても盛り上がりますが、何となく消化不良。続編で地球のその後も、宇宙的な生命のことも、更にスケール大きなものを描いてもらいたい。単純に地球は生命体だというガイア説とは一線を画した傑作だと思います。2010/02/21

茶幸才斎

5
生物は外界を認識し記憶を保持するために神経系と複雑な脳を作ったが、本来それらの器官は生命にとって重要ではなく、我々人間を含めた生物は、個々の細胞が、ときに量子レベルで、他の生物または岩石や珊瑚礁のような無生物とコミュニケートし、相互作用できる。そして、自然界のいたる所に、自らの記憶を永遠に刻み続ける。世代を越えて永遠に残り続ける記憶があればこそ、生命には価値がある。個体の死とともに失われ、ゆえに死を忌避するだけの存在であるなら、我々の命の営みにどんな意味があろう。久々に想像力を揺さぶられる面白い本だった。2011/01/15

nemuo

3
ボリューム満点で読み応えのある大作。藤崎慎吾は「鯨の王」以来だが、さすが本職とも言える理論の細かさで、非常にスケールの大きい話が荒唐無稽なSFで終わらない。自然の記憶やISEICという考え方により、霊媒や共感覚者の存在について理由をつけられるのが面白い。単純なパニック小説を想像していたが、自然と人間の関係性について考えさせるいい意味で異色の小説。2020/05/01

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