それでもヒトは人体を改変する―遺伝子工学の最前線から

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152085382
  • NDC分類 467.2
  • Cコード C0045

内容説明

地球上に多様な生命を作り出した「進化」は、生命体には制御不可能な、悠久の時の経過を必要とする過程である。だが人類は、それを自分の意思のもとに進め、自己の生物学的性質を改変する技術を手にしようとしているのかもしれない。「人類自己再設計時代」の到来だ。発展著しい遺伝子テクノロジーで注目の、「生殖系列工学」。それは生殖に関わる細胞を直接操作するだけに、その安全性・倫理的妥当性をめぐり議論が絶えない。しかし、技術開発の進展が逆転できない以上、近い将来「安全な」技術が開発される。そうなれば、遺伝子技術慎重論者の主張する「公権力による世界的な抑止」など、どだい不可能なのだ。自由市場の原則にのっとり、この技術を積極的に施行することこそ、最大の利を人類にもたらすにちがいない。遺伝子技術推進派最大のイデオローグが、豊富な具体例を交えつつ、クローニング、胚性幹(ES)細胞、胚スクリーニングなど、その是非の問われている最先端技術の積極推進を謳いあげる本書は、その過激な主張で論争を巻き起こした。SFではない現実世界で、推進か抑止かのどちらかを選ぶしかない、私たちの意思決定に不可欠な現状認識を提供する1冊。

目次

第1章 最後の人類
第2章 肉体から離れることはできない
第3章 舞台の設定
第4章 超生物学
第5章 波をとらえる
第6章 何をデザインするか
第7章 倫理とイデオロギー
第8章 未来のための戦い
第9章 能力を増強したものとしなかったもの
付録(胚選択の時代における規制の道筋;将来の難題)

著者等紹介

ストック,グレゴリー[ストック,グレゴリー][Stock,Gregory]
カリフォルニア大学ロサンゼルス校公衆衛生学部で医学・技術・社会に関するプログラムの責任者を務め、テクノロジーが人類社会にもたらす影響について一般市民の啓蒙にも精力的に活動する。遺伝子技術の積極的な運用を唱えてテレビなどのマスコミにも頻繁に登場し、慎重派であるジェレミー・リフキンやフランシス・フクヤマなどと論戦を繰り広げている

垂水雄二[タルミユウジ]
1942年大阪生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。出版社勤務を経て、1999年よりフリージャーナリストとなる
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