異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152085245
  • NDC分類 410.2
  • Cコード C0040

内容説明

本書は、史上もっとも危険な概念―ゼロの“伝記”である。バビロニアに生まれたゼロは、そのなかに潜む“無”と“無限”ゆえ、人類の知的営為を揺るがしてきた。ゼロは、古代ギリシアの諸賢によって禁じられ、キリスト教世界では異端視された。パスカル、デカルト、ニュートンらの業績の裏には常にゼロの問題が潜んでいたが、その脅威は、科学が進歩を遂げた現代でも変わりはない。ゼロを追放しなければ、一般相対性理論の無限大問題は解決できないように。歴史を通じて排除の対象でありつづけたが、消えることはなかったゼロ。有用でありながら、多くの矛盾や論理の崩壊をもたらすこの概念の全貌を、まったく新しい切り口で描くポピュラー・サイエンス。

目次

第0章 ゼロと無
第1章 無理な話―ゼロの起源
第2章 無からは何も生まれない―西洋はゼロを拒絶する
第3章 ゼロ、東に向かう
第4章 無限なる、無の神―ゼロの神学
第5章 無限のゼロと無信仰の数学者―ゼロと科学革命
第6章 無限の双子―ゼロの無限の本性
第7章 絶対的なゼロ―ゼロの物理学
第8章 グラウンド・ゼロのゼロ時―空間と時間の端にあるゼロ
第∞章 ゼロの最終的勝利

著者等紹介

サイフェ,チャールズ[サイフェ,チャールズ][Seife,Charles]
サイエンス・ライター。イェール大学で数学の修士号を取得。「ニュー・サイエンティスト」記者。「エコノミスト」、「サイエンティフィック・アメリカン」、「サイエンス」などにも寄稿する。ワシントンDC在住

林大[ハヤシマサル]
1967年、千葉県生まれ。東京大学経済学部卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

15
少しでも数学や科学、とくに宇宙に興味を持ったことがある人間にとって、〈ゼロ〉と〈無限大〉は身近であると同時に眠れなくなるほど幻惑的な概念だ。羊の数を数えられれば事足りてきた人類が、いかにして歴史の進みゆきの中で〈ゼロ〉と折り合いをつけてきたか。本書の中ではどちらかと言えば前半の「アリストテレスと〈ゼロ〉の葛藤」のくだりが面白い。数学だけでなく、論理を突き詰めて行くことによって〈神〉ですら吹っ飛ばしてしまうゼロの魔力。東洋の方がスンナリと受け入れられたというのはある意味当たり前だけど、なんとなく誇らしい。2013/03/26

Tatsuya

5
数年ぶりの再読。「ゼロ」という概念がどのようにして生まれたか。そして、数学だけでなく、宗教や哲学、美術、物理学・天文学等の様々な分野にどのような影響を及ぼしたのかが記されている。物理学関連の部分は難解すぎて僕にはほとんど理解できなかったけど、それ以外の部分は非常に興味深く読めた。特に前半の「ゼロ」の概念の誕生・発見まであたりのくだりと、終盤のブラックホールやビッグバン関連のあたりが読んでいて非常に楽しかった。いつかもっと物理学を理解できるようになったら(なるのか?)また読みたい。2009/09/07

ががが

4
図書館で一気読み。ゼロと無限を対比して考えたことがなかったので、ゼロの魔力になかなか気づけなかった。ゼロを巡る文化史というふうに読んだ。哲学、物理学、神学など様々な分野をかけめぐるのが面白い。2013/04/06

Ryuji

3
★★★☆☆読みたいと思いつつも、数学が苦手なため躊躇していた本。思いきって読んでみたが・・・・やはり半分も理解出来なかった。数学・物理が好きな人にとっては初歩的なことなのだろうが、私にとってはとても難解だった。アインシュタインの相対性理論と宇宙の話ははとても興味深かった。2014/11/02

はたおりどり

3
とてもとても面白い本だった。表裏一体であるゼロと無限に対して、人類はどのようなアプローチを取ってきたかがとてもわかりやすく記述されていた。特に、これまでずっと腑に落ちなかった微積分の概念を、その発展の歴史をなぞりながら解説している部分はとてもドラマチックであった。当時の数学者も同様の悩みを抱えていた事を知り、少々親近感を抱いた。 生れて初めて、限りなく0に近い微小量の登場に戸惑う、全国の数Ⅱに苦悩する高校生の参考書にしてあげたい。そうすればきっと、数学を苦手に思う人は少なくて済むかもしれない。2014/01/25

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