ハヤカワ・ミステリワールド
マークスの山

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  • サイズ B6判/ページ数 441p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152035530
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

149
合田雄一郎刑事その1。序盤がちょっと話があちこち行って判らなくなったが中盤以降直木賞を取ったのもうなずける面白さだった。2015/12/30

紫 綺

112
かなり昔、今は亡き当時の上司に薦められて読んだ本。この本との出逢いで、しばらくは高村さんを作家読み。細かな取材と人間の心情表現の生臭さが、よりリアリティを感じさせる作品。ちと長すぎる様な気もするが・・・。2015/01/11

あも

100
【麦さん課題本】硬質な文章に緻密な構成。険しい山の頂についに辿り着いたような達成感。山荘での殺人事件、時を経て繰り広げられる連続殺人とそれを追う合田ら刑事たちの真剣勝負。とはいえ終盤に入るまで横やりが入り近付いては遠ざかる捜査陣と同調するように読み進めるのに大変苦戦した。功名心を剥き出しに同僚にさえ情報を隠し、保身を図る者たちが捜査を制限する。過去は知らず今もこんな組織であるとは思いたくないが…。マークスの意味が分かり全てが明るみに出て、そして行き着くラストの光景に、名状しがたいペーソスを感じさせられた。2018/04/29

papako

73
文庫で読んでいたのですが、お気に入りさんの感想を読んで、単行本で。あれ?こんな感じ?ずいぶん前だしな、印象違うなぁと思いながら読みました。高村さんらしい、ザラザラとした手触りと匂いのある文章を堪能。刑事達の人間くさく、煙草と汗と脂にまみれたスーツ姿が迫ってきました。薄い線から、脅迫者『マークス』に迫り、その原因となる事件や、紐解く合田達の意地と執念に感動。啀み合い、争いながらも共闘し、解決に邁進する。漢だわ。私はやはり合田が好きだ!再確認。『照柿』『レディジョーカー』も読みたい!2016/08/14

みも

63
僕が持ち得る最大限の賛辞で称えたい。一分の隙も無い安定した完成体として聳える巨大なピラミッドの如し。その存在感に、ただただ圧倒され凝然とするばかり。緻密な構成の鎧を纏い細緻な描写の血肉を有するが、非常に簡潔な文章で読み易い。捜査過程の手法や組織内の軋轢などの精緻な筆致がずば抜けており、その臨場感たるや僕自身も捜査会議に列席しているような錯覚に囚われ、ひそひそ話しや怒号・罵声が聞こえて来るようだ。ラストは壮絶な撃ち合いによる憤死を予想したが、緩やかなフェードアウトにより訪れる静寂が、虚無感と悲哀を増長する。2017/03/09

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