内容説明
高価なエメラルドの首飾り盗難をめぐり浜辺でくりひろげられるユーモラスな騒動。何者かに襲われ意識不明となった患者の証言を聞きだす実験。アパートの一室に誘い出された男女を待つ恐るべき罠。クリスティーのミステリ趣味が思う存分に活かされ、その魅力が凝縮された、いずれおとらぬ一幕劇の傑作三作品を収録。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ][Christie,Agatha]
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
68
海浜の午後、患者、ねずみたち の三部作になっている。 海浜の午後では、以外なところで警察官が登場する。 煮え切らない若者は、最後には自立する方向で歩み始める。 時期がくれば、すべてが動き出すことを表現したかったのだろうか。 上演するとすれば、時間の流れを感じさせる音楽を背景に選びたい。2012/04/29
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43
戯曲短編集「海浜の午後」「患者」「「ねずみたち」の三編。クリスティらしさは出ているものの、あまり面白くなかった。強いて言えば「患者」が良かった。今までに読んだ一冊一話の戯曲仕立てが良かっただけに、残念だった一冊。劇場で上映されたものを観たら、もっと面白いのかもしれない。やっぱりクリスティは長編の方ががいい。2019/04/09
Kircheis
26
★★☆☆☆ クリスティ作の戯曲三幕物。 表題作「海浜の午後」は、ドタバタ喜劇でテンポの良い小品だが、これはビキニの美女やタオル一枚でのお着替えシーン含めて劇場で見ないと面白さは激減する。 「患者」は、三作品の中で1番面白かったが、オチも犯人もすぐに予想がつくし、特にひねりのある話ではない、普通のミステリー劇。 そして、「鼠たち」は申し訳ないけど物話としても劇としても駄作の部類だろう。 安定しておもしろかったクリスティ戯曲集の中では珍しくハズレだと思う。2018/11/11
花乃雪音
25
『海浜の午後』『患者』『ねずみたち』、それぞれ全1幕の戯曲を3篇収録。『患者』は何者かに襲われバルコニーから転落するも一命は取り留めた女性が麻痺状態ではあるが意識がはっきりしているため電気装置によりこちらの質問にブザーで答えることで犯人を探り出す。一読してこの話の肝となる部分が言及されていたか再読したらたしかに書かれていた。しかし、舞台で本作を見ていたらやはり同様の印象を持つものの確認することができないため、もやもやしたまま舞台を見終えることになりそうだ。2020/07/26
いっくん
25
戯曲集6作目。一幕ものが三編。『海浜の午後』ネックレスの盗難事件。どこかにヒントとかあったかな?『患者』これは良かった!サスペンスに満ちて、フェアで、尚且つ面白い。もっと長くても良かったのになぁ。『ねずみたち』いまいちノリきれなくて。初めは何の話かわかりませんでした。読むのと舞台で演じられてるのとはだいぶん違うんでしょうね。兎に角、『患者』が面白かったので楽しめました(^_^*) 2019/06/08