内容説明
世界的ピアニストのライダーは、あるヨーロッパの町に降り立った。「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定のようだが、日程や演目さえ彼には定かでない。ただ、演奏会は町の「危機」を乗り越えるための最後の望みのようで、一部市民の期待は限りなく高い。ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入り…。実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の問題作。
著者等紹介
イシグロ,カズオ[イシグロ,カズオ]
1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、家族と共に渡英。以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景にして育つ。ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年に発表した『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞。1989年には長篇第3作の『日の名残り』でブッカー賞を受賞した。1995年の第4作『充たされざる者』、2000年の第5作『わたしたちが孤児だったころ』の後、5年ぶりに発表した最新長篇『わたしを離さないで』は世界的ベストセラーとなっている
古賀林幸[コガバヤシサチ]
津田塾大学英文科卒、ボストン大学大学院修士課程修了、英米文学翻訳家、恵泉女学園大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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