ハヤカワepi文庫
いつかわたしに会いにきて

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151200151
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

わたしが魅かれる男はいつも他人のもの。妹の夫も寝取った。妹はそれも気づかず、真面目に生きたらどうかとうるさい。奔放な姉が目覚める真実が胸に迫る「他人の夫」。派遣先でわたしは変わった女性と同僚になった。毎日一緒にいるうちに仲良くなったある日、彼女は衝撃の告白を…親密さが生む不可思議な心理を描く「女装する者」。恋や人生に戸惑い孤独に揺れる女性たちを可笑しみと哀しみをこめて綴る瑞々しい短篇集。

著者等紹介

クラウス,エリカ[クラウス,エリカ][Krouse,Erika]
1969年生まれ。コロラド大学で英米文学と創作を学ぶ。テネシー・ウィリアムズ奨学金をはじめ、数々の奨学金を受け、『アトランティック・マンスリー』など一流文芸誌で短篇を発表してきた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobi

35
彼女とはどうも波長が合わないと思っていたのに、急にその話し振りに引き込まれたような感じ(ドラッグとあなた)。喜劇的なシーンで始まり悲劇的なシーンで終わる。もう彼女のペースに嵌っている。メイ・ウェストばりのシニカルでコミカルな物言いは痛快。でも相手に思いが届かない。相手の思いに気付くのも遅れる。道徳観から解放されていたはずなのに罪の意識が生まれる。どの話にも虚無的な孤独の裂け目がある。媚態の誘いの台詞Come Up and See Me Sometimeが孤独の切実な訴えにも意気地からの言葉にも見えてくる。2016/12/05

神太郎

21
epi文庫にしては比較的読みやすい部類かも。テーマも比較的親しみというか分かりやすいからだろうか。ただ男性なため、なかなか共感できづらく、むしろ「あー、肝心なとこわかってないな」と反省したり。読んでて、男は不思議と「仕事してる」とかって逃げ口上で使えるけど女性が言うと何故か認めてもらえない風習があったりとか女性の立場って男よりも辛い部分が多いかも。女性の取り巻く環境をしっかりと描き、女性の苦労を描いた作品。こういう世の中だからこそ男性女性どちらにも読んでみてほしいかも。2015/07/18

こすも

19
どうしようもない孤独を抱えながら、人と深く関わることが怖い女性たちの物語で、13の短編からなります。タイトルの「いつかわたしに会いにきて」は、セックスシンボルとシニカルな名言で一世を風靡した往年のハリウッド女優メイ・ウエストの言葉です。各短編は最初にウエストの言葉が記され、続いて物語が始まります。各編を締めくくるラストの一文は、冒頭のウエストの言葉を受け止めつつイマジネーションを掻き立て、特に素晴らしい。ウエストに負けないシニカルな視点、感覚的でユーモラスな描写、とてもセンスが高い作品だと思いました。2017/06/22

りつこ

12
読みたい本リストに長いことメモしたままだったのが、本のまくらフェアで運命の出会い!本のまくらで買ったのがほとんど既読の本だっただけにこれは嬉しかった。ひりっと痛い話が多いが、ユーモアもあってとても好み。でも落ちている時に読んだら本当に落ち込んじゃうかも。恋愛の先にあるもの、叶わなかった夢の先にあるもの。生きていくって大変だ。「情け」「よそのお母さん」「他人の夫」が特に好き。2013/10/07

akio

7
なにやら寂しい。淡々とした語りと他者との距離感が切ない。自分自身さえ突き放すような冷静な視点が悲しい。男女で感想がまったく違う作品ではないだろうか。「女装する者」「断食」が好み。「よそのお母さん」が内容もタイトルもつらかった。2014/09/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/73556
  • ご注意事項