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ハヤカワ・ミステリ文庫
初秋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150756567
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

離婚した夫が連れ去った息子を取り戻してほしい。―スペンサーにとっては簡単な仕事だった。が、問題の少年、ポールは彼の心にわだかまりを残した。対立する両親の間で駆け引きの材料に使われ、固く心を閉ざして何事にも関心を示さない少年。スペンサーは決心する。ポールを自立させるためには、一からすべてを学ばせるしかない。スペンサー流のトレーニングが始まる。―人生の生き方を何も知らぬ少年と、彼を見守るスペンサーの交流を描き、ハードボイルドの心を新たな局面で感動的に謳い上げた傑作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

154
名作。1982年に翻訳された時に読んで素晴らしいと思ったが、今回読んでもその気持ちは揺るがなかった。だらしない両親のせいで心を閉ざしている15歳の少年ポールを、私立探偵スペンサーが立ち直らせようとする。一人の少年を救おうとするスペンサーの奮闘に胸が熱くなった。勉強を教えるのではなく、体を動かしてDo It Yourself(何でも自分でやる)の精神で、ポールを成長させるのだ。弱々しい少年が、スペンサーのおかげで次第に逞しくなっていく姿は感動的。ぶっきら棒に書かれたラストからこぼれ落ちてくる感傷に泣ける。2016/07/31

遥かなる想い

123
心を閉ざした少年の「再生の物語り」と言ったら言い過ぎだろうか? ハードボイルドの分類とは少しはずれた心優しい男と少年の交流を描いた良質なお話。ミステリを期待したらはずれるが、この手の物語りをくどくなく、うまくまとめている感じがする。

chiru

109
スペンサーシリーズは初読ですが『初秋』から読みました。離婚後子供の取り合いをする夫婦に関わる探偵スペンサー。両親が子供を養育費の道具にしていることに気付き、自分の元に引き取ることに。それは、強引で過剰なおせっかいです。でも、自分の手を引き、広い世界を教えてくれる存在こそ、少年の渇望する、大人の男性となる”お手本”でした。少年と対等な立場で「お前はどうしたいのか?」と問い、突き放す。ただ自分の信じる道をいく探偵の姿がかっこいいな。とりとめのない会話に、二人の確かな絆があることが伝わるラスト。名作です。★52019/06/02

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

95
シリーズ第7作。ハードボイルドとしては異色作。離婚した前夫に連れ去られた息子を取り戻して欲しいという依頼を受けたスペンサー。だが、話は思わぬ展開に。マッチョな私立探偵と両親に見離されて育ち、世の中の全てのことに無関心な15歳の少年との共同生活。かの内藤陳さんは「読まずに死ねるか」の中で「ストーリーなんざ、どうだって良いではないか」と評したという。そう、どうだっていいのだ。これは一人の少年が、成熟した大人へ、そして男になる為の成長物語。シリーズ最高傑作というのもあながち間違いではない。★★★★2016/11/25

ナミのママ

83
【男祭り@月イチイベント参加作品】【再読】独身時代に読んだ私立探偵スペンサーシリーズ、数年前に『早川書房女子社員のオススメ本』として取り上げられ懐かしくて購入・詰んでいました。ストレートで読みやすい文体、魅力いっぱいの主人公、奥の深いストーリー、名作だと思います。今の時代、今の年齢になって読み返すと自分の人生に重ね合わせて、新たな面白さがあります。ストーリーは15歳の少年の自立をさせるべく“自分のやり方“で向き合うスペンサー。少年の将来を見る大きな視点に納得です。2020/05/27

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