内容説明
強引な捜査が原因で警察を辞職したダイヤモンド。デパートの警備員として雇われたものの、再び失職してしまった。閉店後、日本人の少女が隠れていたのを見落として馘にされたのだ。少女は自閉症らしく、まったく口をきかなかった。身内が名乗りでない少女に同情したダイヤモンドは親捜しに乗り出すが、やがて少女は謎の女性に誘拐されてしまった!『最後の刑事』に続き、熱き刑事魂をもつ男の姿を描くシリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
25
警察を辞職してロンドンのハロッズデパートで警備員として働くダイヤモンド。口をきかない日本人少女の親を懸命に探す中、少女が何者かに誘拐される。ダイヤモンドはすぐさま少女を追ってニューヨークへ飛ぶ。多少日本人の描き方に違和感はあるものの、子供好きのダイヤモンドの不器用なふれあいは微笑ましく、ニューヨークの地元警察に煙たがられながら己の直感を頼りに突き進む姿は頼もしい。ややストーリー展開が強引な所はあるがダイヤモンドの個性が活きた楽しい作品だった。2019/01/23
mayumi
24
ピーター・ダイヤモンドシリーズ第2弾。今回はデパートに置き去りにされた自閉症の日本人の女の子のためにダイヤモンド元警視がイギリス→アメリカ→日本と飛び回るグローバルな展開となっている。もう刑事じゃないのに、事件に首を突っ込み、殺人現場を荒らしているダイヤモンドを説教したくなったが、女の子を想う気持ちは彼に人間味を与えていた。ただラストが…。いくら力士でも無理だと思うよ…。あと、ダイヤモンドとFAXでやりとりする横浜市警…存在しませんから!(笑)2020/06/28
J・P・フリーマン
12
警察をやめたダイヤモンドが、日本人力士にパトロンになってもらい、誘拐された自閉症の日本人少女ナオミを追って、イギリス、アメリカ、日本を駆けまわる冒険活劇。まったく関係のなさそうな製薬会社のパートも挟まれていて、これがナオミとどう関係してくるのかワクワクしながら読み進められました。100ページくらいまでは、ダイヤモンドとナオミの交流を描き、動きはすくなかったのですが、ダイヤモンドがナオミとコミュニケーションをとろうと四苦八苦する様子を子細に描いたからこそ、中盤以降の彼の熱意も説得力のあるものになっています。2020/11/30
たち
9
ダイヤモンド警視(元)、世界を又に掛けての大活躍!で、大変面白かったのですが、やっぱり力士は微妙・・・。デブ×2で想像するとなかなか見応えがありそうですが、なにも力士にしなくっても、と思ってしまいました。イギリスでは大うけだったのかな?2016/03/17
鐵太郎
7
イギリス人の視点で見たアメリカ警察の描写が面白い。こんなに違うんですねぇ。普通はピストルを持たないイギリスの刑事って、親近感が出ませんか。 自閉症で何の感情も見せなかった少女が、最後にダイヤモンドの顔を見てにっこり笑う、あるいは泣き出して抱きつく、という展開になるのかと思ったけど、最後までこの子は変わりませんでした。ラヴゼイさんって、自閉症の子と、それを介護する人たちの事をよく知っているんだな、とちょっとほっとしました。つらいことだけど、それが現実なんですよね。2010/02/21