ハヤカワ・ミステリ文庫<br> つなわたり

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ハヤカワ・ミステリ文庫
つなわたり

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  • サイズ 文庫判/ページ数 337p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150747077
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

戦争が終わり、平和をとりもどしたロンドンの街角で、2人の女が再会した。大戦中はともに空軍司令部に勤務していたが、今は2人とも相手を見つけて結婚していた。一方の女は公務員の夫のつましい給料で不自由な生活に耐えており、片一方の女は富豪の夫の金を湯水のごとく使い、しかも不倫の真っ最中だった。対照的な2人には、しかしひとつだけ共通点があった。自分の夫がうとましくてならなかったのだ。そして、片方の女がある危険な計画を耳打ちしたとき、運命の歯車がひそかに、ことりと動き始めた。強烈なサスペンスと意外性の最新傑作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネコベス

30
戦後間もないロンドン。偶然再会したローズとアントニア。ローズは女癖が悪い夫に愛想を尽かしていたが、牧師の父の事を思うと離婚に踏み切れないでいた。それを聞いたアントニアは夫の殺害をほのめかす。テンポ良くブラックユーモアたっぷりの上質なサスペンス小説を再読。おとなしく家庭的なローズと我儘で利己的な悪女アントニアの女同士の戦いがスリリング。徐々にお互いが猜疑心をつのらせる様子や終盤の畳み掛けが素晴らしく面白かった。2020/04/12

J・P・フリーマン

11
殺人を依頼した女と殺人を請け負った女の、心理下での静かな攻防が印象的でした。最初はてっきり交換殺人の話かを思いましたが、アントニアの二枚舌も相まって、途中から展開が読めず続きを気にしながら読み進めました。2020/08/10

おくちゃん

9
ハラハラドキドキの女性2人の心理戦でした。偶然が悲劇をもたらした。2021/04/11

bapaksejahtera

6
ピーター・ラヴゼイ作品のうちシリーズ物ではなく単作に分類される。サスペンスと呼んで良いのだろうが、喜劇性も強い。イギリス伝統の味と言ってよいのか。やむなく犯罪に巻き込まれる弱い個人の側から、その露見までの恐怖を描くという趣向である。舞台はドイツの爆撃で疲弊し、多くの瓦礫が散在するロンドンである。歴史風俗という意味で強く興味を惹かれる。ともかくもこの作家の作風の多様さとストーリーテラーとしての力量に舌を巻く。2021/02/04

moe

3
読み始めたら止まらなくなって一気読みでした。話の展開がちょっと強引でついていけないところもありましたが、二人の女性の駆け引きに目が離せませんでした。他の作品も読んでみたいです。2010/12/23

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