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ハヤカワ・ミステリ文庫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 511p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150736040
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ロンドンの波止場に揚げられたワイン樽から覗いていたのは、金貨と人間の手だった!事件の予感に荷揚げ作業員が右往左往するなか、樽は忽然と消え失せる。通報を受けたロンドン警視庁のバーンリー警部は樽の行方を追うが、それは英仏海峡を横断する大掛かりなアリバイ捜査の発端にすぎなかった…ミステリ史上に燦然と輝き、江戸川乱歩をして瞠目せしめた傑作本格。名探偵によるアリバイ崩しの金字塔が、新訳で甦る。

著者等紹介

クロフツ,F.W.[クロフツ,F.W.][Crofts,Freeman Wills]
1879年ダブリン生まれ。1896年から1929年まで、鉄道技師として働く。19年に大病を患い、長期療養中の慰みとして執筆した『樽』が、翌20年にコリンズ社から刊行され作家デビューを果たす。24年に発表した『フレンチ警部最大の事件』から、遺作となった、57年の『関税品はありませんか?』まで、シリーズ・キャラクター、フレンチ警部ものの長篇29作を上梓した。57年に没するまで“アリバイ崩し”をテーマにした作品を中心に、33作の長篇と多数の短篇を物す

加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生、1985年東京大学法学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

61
アリバイ崩しで有名な作品。英国に運ばれてきたワイン樽から金貨がこぼれ落ちた。欲を出した工員がもっと金貨があるんじゃないかと樽を更に開けると中に死体が!一方、ワインが運び出されたフランスでは一人の女性が行方不明になっていて・・・。犯人は動機から考えるとやっぱり、あの人だよね。そして探偵の登場までが長いので警察が犯人の証拠の偽装工作に引っかかったりしているという探偵小説のお決まり(警察は探偵より無能設定)が続きます。探偵登場から一気にアクションが始まるのにちょっとびっくりしてしまいます。2015/11/05

goro@80.7

51
初めて読みました。ミステリーは古典から読んだほうがいいね。今ではオーソドックスになってるけどアリバイ崩しや時刻表トリック、地道な捜査に一瞬の閃き。堪能させていただきました。2023/09/09

空猫

21
名作古典やっと読了。船の積み荷である樽が破損した。金貨がこぼれ落ちてきたからとさらに覗くと中に死体が入っていた…足で稼ぐ地道な警察の捜査が始まるが新しい証拠が出るたびにまた謎が増える。ようやく1人を容疑者として逮捕するが…終盤で登場した探偵が真犯人のアリバイを崩し、トリックを見破る。刑事が訪ねてきたのに着替えと食事に一時間半待たせる、21時にもう遅いから捜査は明日に、などのんびりした時代の話の展開に一気読みとはいかなかったが推理小説の金字塔と言われるだけはあった。やはりミステリは古典から読むべきだね。2016/09/18

あっちゃん

17
お気に入りの作家さん達が、至る所で話題にしている作品!分厚い本だけど、導入部分から惹き付けられ、後半は一気読み!とにかく、懐かしのアリバイ崩しが嬉しい!2013/12/23

Kotaro Nagai

9
クロフツはアンソロジーの短編は読んだことがありますが、長編はこれが初めて。「樽」は1920年、著者のデビュー作。港に荷揚げされた樽から女性の死体が見つかり、殺人事件に発展。前半は樽の行方と容疑者の割り出しにロンドンとパリの警視庁の警部が関係者の証言をもとに地道な捜査をしていく。そこにはホームズやポアロといった天才肌の推理はなく、安楽椅子で推理することもない。ひたすら足で稼ぐ操作が展開される。後半は容疑者の鉄壁のアリバイを崩すため、私立探偵が足で稼いで実証する。ミステリーの古典にふさわしい作品と感じた。2023/07/11

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