内容説明
原因不明の高熱、骨折、火傷、心臓停止、激しい胸の痛み。マサチューセッツ総合病院の救急治療室には、さまざまな患者が昼夜を問わず運ばれてくる。ここに医学生として勤務した体験をもとに、超ベストセラー作家が刻々と変化していく医療現場の実態をリアルに再現し、その裏側に隠された問題点を鋭くえぐる。全米で驚異的人気を誇るTVドラマ・シリーズ「ER(緊急救命室)」の原点となった話題の医学ノンフィクション。
目次
ラルフ・オーランド
ジョン・オコナー
ピーター・ルウチェジ
シルヴィア・トムスン
エディス・マーフィー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おか
61
テレビ番組の「ER」の原作。シリーズの最初の方は好きでよく観ていたが その内余り興味がなくなり 観なくなった。この本を読んで気が付いた事がある。一人の患者の病気を確定する作業は一連のミステリーなのである。何人もの医者が侃侃諤諤 凡ゆる検査を経て 病気を確定し 治療に入る。既往病や生活状況等も細かく調べ 治療しながら 凡ゆる方向性で患者の治癒に努める姿に頭が下がる。取り上げられている病院は大学病院なので 学生も医療に参加している。将来の為にはなるのだろう。しかし アメリカの医療制度も日本のそれも問題あり。2017/09/21
まるほ
36
大ヒットTVドラマ『ER』の原点となった本ということで手に取ってみた。▼あくまでも“原点”であって“原作”ではないのがミソ。5人の患者のカルテを基に、救急医療体制、医療費、外科手術、最新医療機器、医学教育のテーマについて論じるノンフィクション。著者の医学界への真摯な視線・問題提起が『ER』にも深く反映されていることがよくわかる。▼ドラマの原作本を勝手に期待していたので、硬派な内容にいささか戸惑ったのも事実。本作が書かれたのは1969年であるが、半世紀経った現在でも色褪せない内容には驚きです。2019/08/04
佐島楓
23
「ER」の原点になった本ということで読んだ。救急医療体制、医療費の高騰、外科手術、最新医療機器、医学教育への疑問点を五人の患者のカルテを参考に論じている。もう半世紀近くも前に書かれた本なのに、解決されている問題は少ないのではないだろうか。当時のアメリカの医療の現実が理解でき、「ER」が強い問題意識の上に制作されたドラマだということもわかったのは大きな収穫だった。2013/11/06
fseigojp
20
ドラマERの原点とは知らんかった ハードなアメリカの医療事情が活写されている まったく古びていない2015/09/20
ホレイシア
14
珍しくノンフィクションに手を出す。内科医と外科医どっちが偉い?とか、かなり昔にさかのぼっての医学に対する言及もあり、興味深い。可笑しかったのは、数字は大の苦手なのに、下に「ドル」とかつくと思わず計算を始めてしまうことに気づいたこと。うちの近くの都立病院、長らくおんぼろで「ER」だけが光り輝いていたのだが、間もなく11階建ての新館が完成します。ドラマの「ER」は見てないけど、あまり関係ない気がする。2009/08/07