内容説明
飛行物体からは三本脚の戦闘マシンが現われ、周囲を破壊する。ウエルズ、クレイトンは、資産家の娘エマと彼女を愛する男とともにロンドンへ行くが、街は何体もの戦闘マシンに攻撃され、『宇宙戦争』さながらの壊滅状態に陥る。追いつめられた彼らは、下水道に逃げ込んだ。しかし、そこで想像を絶する真実を知ることに!感動的な愛、息詰まる冒険、予測不能の巧妙な展開。大反響を巻き起こした『時の地図』の待望の続篇。
著者等紹介
パルマ,フェリクス・J.[パルマ,フェリクスJ.][Palma,F´elix J.]
1968年スペイン南部アンダルシア地方の港町サンルーカル・デ・バラメダ生まれ。1998年に短篇集El vigilante de la salamandra(火とかげの守り人)で作家デビュー。2008年に新人作家の登竜門のひとつであるセビリア学芸協会文学賞を受賞した『時の地図』を出版、ベストセラーとなった。小説を執筆するかたわら、新聞のコラムニスト、文芸評論家、アンソロジーの編者としても活躍している
宮崎真紀[ミヤザキマキ]
東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
35
1898年、ロンドン。「宇宙戦争」を発表したSF作家ウェルズは博物館の地下に眠る火星人を見物に行く。1829年、南極へ出港した探検船は座礁し足止めを喰らう。そこへ謎の飛行物体が落下する。久しぶりの再読だがやはり傑作。「宇宙戦争」と「遊星からの物体X」を足してタイムトラベルを混ぜてごった煮したエンタメSFだが、ロマンス、パニックホラー、冒険活劇とてんこ盛りな内容で大満足。万人受けはしないかもしれないが、過酷な現実を物語という虚構の力で乗り越える力強いSFほら話に心揺さぶられる。二度ある銛投げのシーンが最高。2020/02/21
もち
24
「きみを愛しつづけるこの真心を、きっときみはまた取り戻す」◆三つ脚の宇宙船が、ロンドンを蹂躙する。焼き払われる人、家、記憶。初めから仕込まれていた厄災。逃げ惑うウエルズ一行は、辛苦の果てに元凶と対峙し――。結末は、まだ見ぬ次元へと跳び急ぐ。■こんな話になるとは。破壊と愛に満ちた大冒険を終え、心から寂しい。文学史上最高と言い切りたい、最後の一文。そこに辿り着くまでの、鬼気迫る壮大さと美しさ。世界のこんな理なら、信じてみたい。SFだからこそ描ける感動があるのだ。途方もない空想で、変わらぬ想いを映すような。2019/05/10
ウララ
9
南極探検(それも地球空洞説を証明するための入口を探す旅!)から始まり、宇宙人と遭遇しこの前読んだばかりの『影が行く』ばりの抗争。そこから70年後のH・G・ウエルズが生きるロンドンに現れる『宇宙戦争』そっくりの火星人との戦争。前作『時の地図』の登場人物たちが次々と戦いに敗れ死んでいき、ついに全世界は「火星人」のものに…。この話をどう収拾させるか、はらはらしたが、力づくで何とか収まった。こういう荒唐無稽な話は大好きだ。2013/02/20
キョウラン
9
「ゴリアテ」読んだ時も感じたけどスタンダードなSFでいいね、素晴らしい。古びない、多分10年後に読んでも同じ興奮が味わえる傑作。映像化したら映えそうな描写が多く時々あるさし絵がまた絵本っぽくて良かった。2013/01/01
EnJoeToh
7
素晴らしいな。2013/11/18