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ハヤカワ文庫
ベルリン・コンスピラシー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 452p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150412128
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ホテルで目覚めたアメリカの実業家ルドルフ・ブレイヴァマンは、不可解な思いにとらわれた。昨日はロンドンのホテルで寝たはずだが、ベルリンにいるのだ。間もなく彼は、62年前に仲間とともに五人の元SS将校を殺した罪で逮捕され、彼の息子ギデオンが一連の奇怪な事件の調査を開始する。父親の親友などの協力を得て、やがて暴き出す驚くべき国際的陰謀とは?巨匠が実力を遺憾なく発揮した待望の新作エスピオナージュ。

著者等紹介

バー=ゾウハー,マイケル[バーゾウハー,マイケル][Bar‐Zohar,Michael]
スパイ小説の巨匠。1938年ブルガリア生まれ。ナチの迫害を逃れてイスラエルに移住する。ヘブライ大学卒業後、パリ大学で博士号を取得し、新聞社の特派員となる。1967年、イスラエル国防省の報道官を務め、同年の六日間戦争と73年の第四次中東戦争に従軍。その後、ハイファ大学で教鞭をとり、国会議員にもなった

横山啓明[ヨコヤマヒロアキ]
1956年生、早稲田大学第一文学部演劇学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

95
確かに目撃者全員の口封じというのは、国家機関でないと不可能。そう思えば、独力で成し遂げた『幻の女』の犯人は超人的だな。ルドルフもニッキーも戦後に新たに人生を託した国家に裏切られた。戦後も踏みにじられ、国家に利用されるユダヤ人像というのは、日本に置き換えると、沖縄県民か。本作のドイツ首相はどうしても我が国の現首相にイメージが重なる。ホロコーストの犠牲者でも、ナチを殺せば殺人罪に問えるというのは、ドイツの正義なのか。マグダやウルリケが唯一の清涼剤。ラストのルドルフの選択、ギデオンは受け止められるか。2017/09/12

GaGa

42
面白かった!初めはなるほど、こういう切り口もあるのかと感心しながら読み進めた。すると、あれよあれよのうちに様々な思惑が入り乱れ、一つにまとまっての「巨悪」ものに。そして、それを解決する方法にも非常に優れていて、かつ、大きな問題提起も忘れない。事実をベースにしたとあるが、非常に読みやすくわかりやすいエンターテイメント小説に仕上がっている。2011/11/05

*maru*

40
5人の元SS将校を殺害した容疑で逮捕されたユダヤ人のルドルフ・ブレイヴァマン。ロンドンにいたはずの彼は、なぜベルリンで逮捕されたのか?60年以上も前の事件が、なぜ今になって再び動き出したのか。登場人物がみんな魅力的で困った。ルドルフの息子ギデオン、検察官マグダ、さらに黒幕たちまで。彼らにとっての“正しいこと”。陰謀が生まれた瞬間。巻き込まれた側にとっては、おいおいふざけるなと迷惑極まりないこと。すべてを飲み込んでのルドルフの決心。彼にとっての正しいこと、その行いに胸が詰まる。また凄い作品と出逢ってしまった2019/05/12

藤月はな(灯れ松明の火)

36
ロンドンを訪ねていた大富豪は、目覚めたらドイツにいて即座に逮捕された。逮捕の理由はユダヤ人の彼は約60年前にナチス将校達を殺害した咎。なぜ、彼は今、捕まらなければならないのか?人の人生が信念や国、権力闘争によって利用され、歪まされる様は息苦しくなるほどの憤りすらも覚える。しかもラストでの彼の決断も重く、遣る瀬無い。しかし、アメリカにおける国際間での防諜問題、パレスチナ問題におけるある事実の判明という現実を鑑みると絵空事になるという保証はないという予兆めいたものを感じます。2013/11/07

Tetchy

16
いやあ、バー=ゾウハーの新作がまさか読めるとは思わなかった。なんと原書刊行2008年。正真正銘の新作だ。ルドルフの不当逮捕から始まった小さな謎がやがて大きな政治的戦略の謎へ波及するという、多重構造的な謎を含ませるのは実にこの人らしいプロットだ。結末の着け方も誠実さが表れている。北上次郎氏も云っていたが率直に云ってかつての名作から比較すれば冒頭に述べたスピード感は減じている。しかしそれを補う物語はここにはある。傑作とは云えないまでもやはり続けて読みたくなる作家である事は確か。次作を期待したい。2010/05/18

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