ハヤカワ文庫<br> ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ

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ハヤカワ文庫
ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 521p
  • 商品コード 9784150404260
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

英国諜報部〈サーカス〉の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ―引退生活から呼び戻された元諜報部員スマイリーは暗黒の領域に分け入る困難な任務を託された。情報によれば、この二重スパイは彼のかつての仇敵、ソ連諜報部のカーラに操られているという。スマイリーは〈サーカス〉の記録を遡り、関係者の証言を集め、複数の容疑者を洗いあげていく。やがて彼が見いだす意外な裏切者の正体とは?敵味方の区別もつかぬ灰色の世界に展開するスマイリーとカーラの凄絶な頭脳戦。二人の宿命の対決を描きスパイ小説の頂点を極めた3部作の第1弾!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Panzer Leader

53
若い時分に読んだ時は、亀の歩みの様に遅い筋運び・いつの間にか切り替わる現在過去の時制・脇道に逸れ過ぎでは思うほどの話の展開にえらく読みずらいと思ったものだったが、30年ぶりに再読してみればあら不思議、それらの要素がすべて心地よく感じられた。脇道と思われていたエピソードが緊張感を伴ってラストに収束される展開も素晴らしい。これを読まずしてスパイ小説を語ることなかれと言える正にスパイ小説の最高峰。2018/01/01

マリリン

47
どこからともなく湧いてくるような登場人物と会話のやり取り。著者の経歴を存分に生かした作品はパズルのような感覚.と暗号を解くかのような面白さがあり、前半は描く風景と人物が掴みにくいものの、中盤から後半にかけて浮かび上がってくる事象から物語が展開していく様に惹きこまれた。表題は...なるほど著者らしい。風采があがらない感がある元英国情報部員スマイリーが、サーカスの中に潜むモグラを探す為再び動き出した。自然死は忘れられる...この世界ではそうかもしれない。その私生活も平穏ではなく波乱であるのかのように。2021/01/31

syota

30
スマイリーは、通りを渡るのも危なっかしそうな小柄で平凡な老人。その彼が仕事に取り掛かると、キーパーソンを探し出し巧みに情報を引き出したり、大量の文書を徹夜で片端から読み込み断片的な情報をつなげていく。しかも常に尾行や監視を警戒し、気の休まるときがない。美女も秘密兵器もウォッカ・マティーニも出てこないけれど、外見からは考えられない強靭な精神力と沈着な頭脳を武器に、組織内の見えざる敵に着々と迫っていく姿に引き込まれる。地味ではあるが、絵空事でないスパイの世界を堪能することができた。[G1000]2016/10/09

のざきち

24
古くからの積読本。いわゆる「スマイリー三部作」の第一作目。英国諜報部「サーカス」の中枢に潜むソ連の二重スパイを発見すべく、引退生活から呼び戻されるジョージ・スマイリー。スマイリーは過去の膨大な記録と関係者の証言を丹念に拾い集め、裏切者の正体に迫る…登場人物が多い中突然回想シーンに飛んだり、描写が細密且つ克明で中々先に進まないのですが、それがル・カレ作品の特徴なんでしょうね。物語自体は面白く読めました。次作「スクールボーイ閣下」も楽しみです。2020/04/29

イエローバード

15
熱狂的ファンの多いスマイリー三部作の一作目。勧められてあえて旧訳を読んだ。英国諜報部、通称サーカスからリタイアさせられたスマイリーが、組織の幹部に潜む二重スパイ"もぐら”をあぶりだすために調査に乗り出すが……。登場人物が異常に多いし(人物表がない!)、場面もどんどん変わるしで、読むのに時間がかかった。でも先に映画『裏切りのサーカス』を見ていたから大丈夫。微妙な違いも楽しめ、わかりやすかった。ただ基本、〝男が憧れる男達〟を描いた男性好みの作品のような気も……。ルカレの難解だという英語、チラ見してみようかな。2017/01/20

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