内容説明
視察のため来日したニューヨーク市警のブラウンには裏の目的があった。東京で失踪した旧友を個人的に捜すのだ。旧友は世界的IT企業の幹部で日本支社設立に動いていた。だが調査開始直後、ブラウンは何者かに襲われる。彼を助けたのは元刑事の探偵・濱崎だった。面白いから手伝うという濱崎にブラウンは反発を覚えつつも、いつのまにか手を組むことになり…二人が人種や立場の境(エッジ)を越え辿りついた真実とは?
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞する。2013年より専業作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
458
スピード感あふれるハードボイルド!日本語ペラなNY市警のエリート&元軍人であるブラウンが、偶然出会った濱崎という元警官と、目的を共にして事件解決に向かう。世界最大のSNS(FBあたりを想像して読んだ)、およびその創設者だというインド系のラオが出て来たあたりが興味深い。作中でホワイトがインド人を「アジア人」とひとくくりにしているが、あの人たちは(いわゆるアジア人とは)全然メンタル違うからね。日本の裏社会と世界を股にかける巨大SNSとのクロスオーバー、ミステリーとしてもいい視点だ。続きももちろん読む。2019/08/29
KAZOO
102
堂場さんの作品がハヤカワ文庫から出ていたとは知りませんでした。under the bridgeというのが最近出版されたのでその前のはなしがあることがわかりこの本を読み始めました。ニューヨークからある使命を帯びた刑事が東京へ来て(しかも日本語が話せます)、日本人の元刑事が絡んである事件を解決していきます。かなりこのような舞台での活躍は難しいのでしょうがうまく決着をつけてくれます。映画のイメージを想像して、主人公にドゥエイン・ジョンソンを持ってきたらどうかと考えました。最後のセリフが効いていて次に期待します2019/06/20
GAKU
32
「NY市警のエリート警官ブラウンと警視庁刑事崩れの探偵・濱崎が、東京を舞台に世界的IT企業重役失踪事件を追って、反発し合いながらも互いの正義を信じて闘うハードボイルド。」との紹介文に惹かれ読む。陸軍の特殊部隊で経験を積み、除隊後NY市警入り、異例の速さで出世との触れ込みながら、ヤクザに襲われ簡単に拉致されてしまう今一魅力不足なブラウン。濱崎も刑事崩れのダーティーさが感じられない。ストーリーも終盤までほとんど盛り上がらず、お上品なハードボイルド?て感じ。正直堂場さんにしては今一な作品でした。残念!2015/11/20
ヨーコ・オクダ
28
ブラウンという名の黒人エリート警察官とホワイトという名の白人ちょいだらしないビジネスマン。このキャラの命名に思わず吹いてしもたのはうちだけかしら!?ブラウンと共に事件に立ち向かう元刑事の日本人の名前に色が入ってなくてセーフw全体的な雰囲気でいうと、お手軽ハードボイルドって感じ。互いにスタイルの違うブラウンと濱崎が反発しながら、最後はバディと認め合う。ただ、うちはその本筋よりも、濱崎が警察を辞めるきっかけに関わる由里という女性とのやりとり、その事情を描いている部分の方が好きやったなぁ。2017/11/22
ツバメマン★こち亀読破中
26
【堂場さん100冊記念イベント参加作品③】 視察に来日したNY市警のブラウン。彼の真の目的は東京で突然消息を絶った軍隊時代の友人を探し出すことだった。偶然出会った元刑事の探偵・濱崎の助力で事件を追うことに。お互いを信頼しないという微妙な関係のまま捜査を続ける二人は果たして“相棒”になれるのか…。事件の全容とは?濱崎はなぜ警察を追われたのか?一気に引き込まれました。ク~ッ、ブラウンの最後のセリフがカッコいい!続編が読みたい!出ないの?出るのか!やった!2015/12/15