ハヤカワ文庫<br> バベルー17

ハヤカワ文庫
バベルー17

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150102487
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねりわさび

61
1966年にネヴュラ賞を受賞したSF小説。未来宇宙で詩人でもある美女を主人公に侵略者たちと戦う話。数学的に窮地を脱出したり幽霊をレーダーにしたり、暗号を解くことで潜伏しているデータが主人公たちの思考を操ったりとハードSFとして面白いのですが文体の癖が強いです。攻殻機動隊2(他のシリーズではなく)のようなオカルトSFがお好きならお薦めします2021/01/20

催涙雨

58
「あなたがその言葉を知らなければ、あなたはその概念を知ることはできないのよ(P208)」言語が人間とその思考に与えている影響をSFに組み込んだ作品、と言えばいいんだろうか。焦点はずっとそこにあてられているのでストーリーラインはわりとおとなしめなのだが、世界観の広がりは派手。整形手術で人型の獣とか龍になるのがそれほど珍しいことじゃなくなっていることとか。典型的な通俗SFの世界で思弁SFをやってみせているようなイメージなのでよくわからない部分があってもある程度は読みやすく感じられる作品だと思う。2019/05/21

かえで

38
同盟軍とインベーダーの戦争が行われている未来。インベーダーの破壊活動が行われるとき必ず『バベル-17』という謎の通信が傍受される。その謎を解き明かすべく美人天才詩人のリドラが宇宙を飛び回る。スペースオペラです。このバベル-17は宇宙言語であることが序盤で語られており、その解明が話の肝です。云わば言語SF。この作者の感覚は天才。今まで読んだSFとは明らかに異質。普通のSFとしても楽しめながら、言語と現実の相関関係、雄大なイメージとスケールに圧倒される。なんとも説明に困る作品。難解さもありますが楽しめました2017/04/01

サイバーパンツ

24
言語学と自我や認識を絡めた哲学的テーマと、霊体人や人体改造などのチープなガジェットとスペオペ展開が混じり合うなかなか濃いSFで、物語のスケールも大きく、しかし、それは主に概念的な所で、例えるなら、無限に拡大し続ける箱庭のような作品。この物語の意味することは、言語は全てで一つの世界を形成するということ位しか理解できなかったが、そういうことを抜きにして、純粋にキャラクター小説としても優れていると思う。2016/03/14

ヘラジカ

20
警戒していた割に最初は単純なスぺオペ展開で些か拍子抜けしていたが、後半からガラッと印象が変わった。やはりディレイニーの出世作、なかなかに一筋縄ではいかない。言語学的な側面に魅力的な切込み方をしているので、良質なエンタメSFであることを考慮せずとも、この作品は稀有な価値を有していると言えるだろう。解説で言われている通りスぺオペ好きもそうでない人間も、どちらも楽しむことが出来そうなSFの傑作。ピンチョンの『V.』もそうだが20代でこの完成度の作品が書けてしまう人間が存在することに宇宙的な広大さを感じる。2016/02/04

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