ハヤカワ文庫<br> アンドロメダ病原体

ハヤカワ文庫
アンドロメダ病原体

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p
  • 商品コード 9784150102081
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

366
パンデミックSFのように見えるが、本書の本質はそこにはない。むしろ、この広大な宇宙空間において、可能な生命の形態を考えてみようとする試みである。例えば、この地球においては、人間を頂点とした複雑系が支配的な方向に進化してきたが、見方を変えれば、より小型でシンプルな高等生命の方があるいは有利であったかも知れない。なにしろ、食料も空間も少なくて済むのだから。また、きわめて啓発的であったのはメッセンジャー理論である。本書の根幹はある意味ではここにあったのだから。物語というよりは、想像のヒントになった作品だった。2017/11/12

新地学@児童書病発動中

143
とにかく面白い。読み始めたら内容が気になって、最後まで一気に読んだ。アメリカの田舎に無人衛星が着地して、未知の病原体が宇宙から持ち込まれる。毒性の強いウィルスのようなもので、その町の人間たちは次々と倒れていく。専門家によるプロジェクトチームが対処するが、有効な方法は見つからずに、やがて地球全体の危機が迫ってくる。文学的な描写より、科学的なディテールを重視した物語で、病原体の正体を突き止める過程は非常にスリリング。結末はややあっけないが、かえって現実味がある。SFの名作としてこれからも読み継がれるだろう。2017/02/03

chiru

98
地球外病原体によるバイオハザードを解析する科学者たちの5日間。 人工衛星の墜落とともに侵入した未知の病原体が街中の人々の命を奪う。 唯一生き残った赤ちゃんと老人の共通項が人類を救う鍵…。 感染のリスクを前に、仮説→検証を繰り返し、未知の細菌の解析を進める科学者たちのドラマが胸を打つ。 難解な専門用語の理論展開以外にも「ヒトの体は細菌には南極のように過酷な環境」などのトリビアがたくさんあって楽しい。『決定権はわれわれの手を離れたのだ』の最後1行が、救われた人類に冷たい後味を残す1級品でした。 ★5 2018/06/04

at-sushi@ナートゥをご存知か?

88
宇宙から帰還したカプセルに入り込み、一つの街の住民を一夜にして絶滅させた「何か」。地下に作られた隔離施設でその正体に挑む科学者達の奮闘をドキュメンタリー形式で描くクライシス・サスペンス。S.キングなら「超常現象」としてバッサリ片付けそうなテーマを、とことん理系なアプローチで展開させる力業が凄い。とても半世紀以上前の作品とは思えない。天から二物も三物も授かったような著者のキャリアにも唖然。 「異変」にGo!2020/08/16

NAO

79
宇宙からやってきた謎の生命体に対応すべく、緊急指令が出て特殊班メンバーが集結させられていくまでのスリル感がたまらない。科学的な知識がほとんどないので、詳細な内容があまり理解できないのは残念だが、そういった分からない点も含めて、病原体の毒性についての解明とその毒への有効性を探っていく過程はとてもリアルな臨場感があり、69年に書かれたという古さを全く感じさせなかった。2018/03/15

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