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NHKブックス
コモンウェルス〈下〉―“帝国”を超える革命論

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  • サイズ B6判/ページ数 338p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912003
  • NDC分類 311.4
  • Cコード C1310

内容説明

中心のないネットワーク状の権力=“帝国”の興隆に対抗し、秩序形成をめざして単独行動に走ったアメリカの試みは、イラク戦争の失敗と金融危機という挫折に終わった。残されたのはEUの超国家主義でも中国の覇権主義でもなく、“共”という富にもとづいた、マルチチュードによる民主主義のプロジェクトだった。私的所有という制度とそれを支える法体制を根本から批判し、万人にアクセス可能な資源=“共”の豊かな可能性を予見する。“共”をめぐる生産はいかにして資本を蝕み、崩壊させるのか?ポスト工業化時代にこそ読まれるべき「革命」の書。

目次

第4部 “帝国”の帰還(失敗したクーデタの短い歴史;アメリカのヘゲモニー以後;反逆の系譜学)
第5部 資本を超えて?(経済的移行の管理運営;資本主義に残されたもの;断層線沿いの予震―破滅に向かう資本)
第6部 革命(革命的並行論とは何か;蜂起の拡大と交差;革命を統治する)

著者等紹介

ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ][Negri,Antonio]
イタリアのマルクス主義社会学者・政治哲学者・活動家。1933年生まれ。元パードヴァ大学教授

ハート,マイケル[ハート,マイケル][Hardt,Michael]
アメリカの政治哲学者・比較文学者。デューク大学文学部教授。1960年生まれ

水嶋一憲[ミズシマカズノリ]
1960年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、大阪産業大学経済学部教授

幾島幸子[イクシマサチコ]
1951年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家

古賀祥子[コガサチコ]
1963年生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

onaka

5
工業製品の生産よりも情報やノウハウなど生の諸形態の生産に主軸が置かれる21世紀の資本主義において、<共>の重要性は増大している。民営か公営かの二者択一論の中で、侵食されがちな<共>の領域を<共>として確保するためにこそ革命はあるべきであり、マルチチュードがその主体となる。共産主義革命の21世紀バージョンのイメージは新鮮かつ気持ちはわかる。とは言え、マルクス主義の文脈に馴染みがないとちょっと読みにくいな。消化不良気味の読後感。2013/11/10

壱萬弐仟縁

5
48頁にはガヴァナンスのことが書いてある。継続的交渉過程の中で、日TPPはこの力量が交渉力の巧拙から成り立つので、力量不足は経験的に否めない。他に気になったのは民衆蜂起(66頁~)。為政者はその原因を謙虚に反省するがよい。TPPという名のまやかしの多国間協調主義はアメリカの説得手段ともとれる。新自由主義の弱点は増産や組織化の提示能力がないこと(108頁)。A.Senの本にもあったがアイデンティティと暴力のテーマも扱われている(196頁~)。政治の目的は幸福である(277頁~)とはそんな日はいつやって来る?2013/03/27

koji

4
<6-3革命を統治する>は読み飛ばしましたが、それまでは悪戦苦闘しながら読み進めました。米国の「単独行動主義」、EUの「超国家主義」、中国の「覇権主義」を否定し、<共>に基づいたマルチチュードによる民主主義を提唱します。用語の概念の分かり難さもあって、上巻同様読みづらさはありましたが、何とか喰らいつきました。おそらく「生政治性」、「アイデンティ」、「特異性」、「マルチチュード」の理解がポイントでしょう。ただ主権定義が曖昧になったこと、<革命/共産主義>という用語を乗り越えられなかったことに弱さも感じました2013/09/21

KAZOO

4
3部作の最後の本ですが、昔「帝国」を読んだときにはある感慨がりましたが、今はやはり年を取ってきていることと、現実の世界経済が中国やインドなどの台頭もあり、一筋縄での分析では、難しくなってきているという感じもあってこの本に書いてあることが今後予想されるのかということを疑問に感じました。2013/05/19

鏡裕之

3
国民国家が主役であった時代は、トップダウン型の意思決定だった。しかし、現在のグローバリズム政治経済システムでは、ボトムアップの流れが生まれている。IT的インフラの整備により、多くの人が分け隔てなく会えるフラットな空間(たとえばSNSや街コン)などが生まれている。協働とコミュニケーションが新しい世界のキーワードだ。もちろん、そのフラットな空間はユートピアではなく、トラブルも生じる。喜ばしい出会いを促進し、不幸な出会いを最小限に抑えることが必要だ――。面白いが、最後の革命論はユートピアに終わっている。2013/05/15

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