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NHKブックス
コモンウェルス〈上〉―“帝国”を超える革命論

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911990
  • NDC分類 311.4
  • Cコード C1310

内容説明

「コモンウェルス」とは何か?―ますます進行するグローバリゼーションのなかで、国境を越えて私たちに働きかけてくる“帝国”という権力と、それに対抗する多数多様な人びとの集合体=マルチチュード。“帝国”が法にのっとって収奪を試みるのも、マルチチュードが生産し、かつ“帝国”と闘うための武器とするのも、“共”という富=コモンウェルスである。それはいかにしてつくられ、どのような可能性を秘めるのか。絶対的民主主義を追究する“帝国”論の完結篇。

目次

第1部 共和制(と貧者のマルチチュード)(所有財産の共和制;生産的な身体;貧者のマルチチュード)
第2部 近代性(と別の近代性の風景)(抵抗する反近代性;近代性のアンビバレンス;別の近代性)
第3部 資本(と“共”的な富をめぐる闘い)(資本構成の変貌;階級闘争―危機から脱出へ;マルチチュードの好機)

著者等紹介

ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ][Negri,Antonio]
イタリアのマルクス主義社会学者・政治哲学者・活動家。1933年生まれ。元パードヴァ大学教授

ハート,マイケル[ハート,マイケル][Hardt,Michael]
アメリカの政治哲学者・比較文学者。デューク大学文学部教授。1960年生まれ

水嶋一憲[ミズシマカズノリ]
1960年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、大阪産業大学経済学部教授

幾島幸子[イクシマサチコ]
1951年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家

古賀祥子[コガサチコ]
1963年生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

センケイ (線形)

9
難しかったが、好きなテーマに見えたので何とか読了。共の動的な側面が多角的に述べられ、「変わらないあなた」ではなく変化を生み出し続ける相互作用が大事であるとしたり、経済も含めた内的な作用であるとしたりし、具体的な容態を明らかにしていっている。では私たちはどのようにしたらいいのか?については次巻に続いておりニクい設計ではあるが、そちらも読みたいと思った。なお、「超越的」「超越論的」など区別しにくい言葉が登場して混乱したが、これは訳注にてちゃんと定義されていたので、訳注を先に読むほうが好ましいかもしれない。2020/10/31

hitotoseno

8
マルクスは『資本論』のなかで剰余価値には様々な産出形態があると分析していた。その中の一つとして挙げられるのが協業によって生まれる剰余価値である。人間は社会的動物であるため他人と協力しながら労働をする。その際に生まれる力は各々の力を足し合わせた力より大きい。つまり、1+1は2になるのではなく3にも4にもなりうるのだ。しかしながら、雇用者側は賃金を払う時2しか払わなくていい。労働力の加算(のうれしい誤算)によって生まれた分の利益は丸ごと雇用者の懐に入るのである。2018/02/23

壱萬弐仟縁

8
09年初出。グローバルシステムに排除された貧者は飼いならされ、使いものにならなくなるまでこき使われる。福一原発労働者も同様に見える。M.フーコーの生政治の3つ原理が書かれていた(68頁)。権力や宗教が人間の身体を通じて監視する不自由さ。日本の場合は非正規雇用者以下すべてがマルチチュード(夥しい数の人たち)か。奴隷制の分析もあり、読者は支配/隷属関係のおぞましさと苛酷さを目の当たりにする。真理を下から築き上げる(198頁~)。情報反乱の中で重要なこと。人民、マルチチュードの違いや、E.トッドの論と錯綜した。2013/03/27

onaka

4
若干消化不良気味だが、とりあえず下巻へ。2013/11/07

koji

4
難しい本なので、読み通すのに骨が折れました。しかも、日々仕事に忙しい中で、全く非実用的な本書をなぜ読んでいるのか、自問自答しながらの読書でした。ネグリ・ハートは、グローバリゼーションの内在的論理を抉った<帝国>の評価が高いのですが、本書は一歩進めて、帝国という権力基盤とそれに抵抗するマルチチュードの武器に共通する「<共>という富=コモンウェルス」を当て、その可能性を追求するものです。その論理に納得するか否かは別として、現代の混迷を説く鍵を考えさせてくれる刺激的な書であることが読み続けた動機です。下巻へ。2013/08/29

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