NHKブックス<br> 詩歌と戦争―白秋と民衆、総力戦への「道」

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NHKブックス
詩歌と戦争―白秋と民衆、総力戦への「道」

  • 中野 敏男【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • NHK出版(2012/05発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911914
  • NDC分類 911.52
  • Cコード C1310

内容説明

官僚がつくる「唱歌」に猛反発した北原白秋は「童謡」を創生し、震災後の社会に受け入れられて国民詩人の地位を確立する。自治への欲求を高めて大正デモクラシーを担った民衆は、詩人に作詞を依頼して「わが町」を歌いあげる民謡に熱狂した。拡大の一途をたどりつつ国民に奉仕を求める国家、みずから進んで協力する人々、その心情を先取りする詩人、三者は手を取りあうようにして戦時体制を築いてゆく。“抒情”から“翼賛”へと向かった心情の回路を明らかにし、戦前・戦時・戦後そして現在の一貫性をえぐり出す瞠目の書。

目次

序章 震災から戦争へ揺れた心情の経験―詩人と民衆の詩歌翼賛への道
第1章 抒情詩歌の成立と本質化される郷愁―日本製郷愁の二つの問題構成
第2章 民衆の植民地主義と日本への郷愁―傷を負った植民者のナショナリズム
第3章 歌を求める民衆/再発見される「この道」―震災後の地方新民謡運動と植民地帝国の心象地理
第4章 国民歌謡と植民地帝国の心情動員―翼賛する詩歌/自縛される心情
終章 継続する体制翼賛の心情

著者等紹介

中野敏男[ナカノトシオ]
1950年東京生まれ。東京大学大学院修了。博士(文学)。東京大学助手、茨城大学助教授などを経て、東京外国語大学教授(大学院総合国際学研究院)。専門は社会理論、社会思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かふ

22
去年の「高橋源一郎の飛ぶ教室」で詩人の戦争詩を特集していた。ほとんどの詩人が戦意高揚詩を書いて戦争協力をしたという。そうしなければ生きて行けなかったのだ。その中心となるのが白秋だという。萩原朔太郎『詩論』を読んで、権威に寄り添う詩は書かないようなことを書いていたが、そんな朔太郎も戦意高揚詩を書いていた。その経緯(白秋が戦争協力するまで)を描いていて興味深い。それは関東大震災で自治体からの要請で国民を一つにする民謡を要請されたりしたのだ。「東京音頭」のような明るい民謡の裏で植民地政策が進められていた。2023/08/13

棕櫚木庵

19
1/4) 白秋らの童謡運動が国家・天皇への忠誠と外国への優越感をもたらしたことを,当時の地方新民謡運動,校歌・社歌ブーム,地方自治への関心の高まりなどと併せ論じた書.これらの運動や,童謡に感じられる故郷への郷愁は,日本との自己統合を促進し,自己の社会的位置を意識させ,植民地主義を遂行する主体的な「国民」を育成した,と.自由・自治・個性・自発性など「戦後民主主義」で大切にされる価値は,実は,関東大震災後の総力戦体制にすでに組み込まれていて,体制を支える重要な要素になっていたという指摘は熟考に値する.2024/01/18

Mealla0v0

6
関東大震災後、復興が求められるなか、そして大正デモクラシーが色濃く出るなか、詩歌は戦争翼賛への地均しをしていく機能を果たしていった。動揺で有名な北原白秋はその筆頭、つまり戦争協力詩人である。第1次世界大戦後、震災後には自治が求められ、民衆の自発性は重視されるが、総力戦体制の構築の過程でそれは上からの制度化と出会い、民衆の心情動員の回路が開かれた。詩歌についての細かい点はともかく、大筋としては民衆の戦争協力を問うものである。2021/10/05

もぐら

4
白秋が作るやさしい童謡と軍歌があまりにも両極端でその間に何があるのか知りたかった。「この道はいつか来た道」のように郷土を懐かしく愛しく思う気持ちと他民族を排する戦歌が地続きである事が白秋が寄せた満州随感の一文で分かった…「アイヌの子」の詩が、アイヌの子を可愛いと言っているのはいろはにほへとの日本語を覚えようと努力しているから可愛いと感じられているのだ、の指摘にもハッとした。軍歌は上から押し付けられたものではなく公募などで国民から自発的に作られ歌われたものだったんだな…(だからこそ大きな影響力があった)2021/01/11

せっぱ

3
第二次世界大戦へ突入する時代の民衆の心情変化を,童謡・新民謡・校歌や社歌を含むさまざまな詩歌の変遷から解き明かす。白秋の詩作を基に個人的な「郷愁」が普遍性を得てゆく過程や背景が考察されていて興味深い。白秋の小笠原体験についてもっと知りたくなった。2014/08/24

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