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NHKブックス
交流する身体―「ケア」を捉えなおす

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910795
  • NDC分類 492.9
  • Cコード C1336

内容説明

知らぬ間に身体が患者に向かい、その手を握っていた―。他者の苦しみに手をさしのべるとき、人の内面では何が起き、何が変化するのか。新人看護師への長期にわたるインタビューをもとに、臨床現場での微細な経験の襞に分け入り、ケアをする者とされる者の間で、「病い」が分かちもたれる瞬間に迫る。ケアという営みの限りない可能性を探る、現場での経験と犀利な思考が交錯した稀有な一冊。

目次

序 「病い」は患者のなかに閉じられているのか
1 身体に耳をすます―看護学生の経験から(動かぬ身体との対話;押し戻す「病い」・引き寄せる「病い」;「患者の立場に立つ」ということ;「病い」の経験が更新されるとき)
2 二人でひとつの「病い」をつくる―新人看護師の経験から(看護がよくわからない;協働する身体;「気がかり」が促す実践;他者の痛みを感じとる―病名告知と「病い」経験)
「ケア」を捉えなおす

著者等紹介

西村ユミ[ニシムラユミ]
1968年愛知県生まれ。大阪大学コミュニケーションデザイン・センター助教授。日本赤十字看護大学卒業後、神経内科病棟勤務、女子栄養大学大学院栄養学研究科(修士課程)、日本赤十字看護大学大学院看護研究科(博士後期課程)を修了。日本赤十字看護大学講師、静岡県立大学助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Schuhschnabel

6
熟練した医療者は、一般人なら立ちすくんでしまうような状況においても、普通のことのようにケアをおこなう。その態度は時として冷たいと感じられることもある。しかし、彼ら/彼女らがそのような規範を身に着けていく過程で患者さんと〈病い〉という出来事を経験する。その側面を、まさに規範を身に着けようとしている看護学生と新人看護師にスポットを当てて記したのが本書である。現象学的なものの見方が根底にある。インパクトは村上靖彦『摘便とお花見』に劣るものの、誰が読んでもためになる内容。2017/05/08

さくらこ

2
授業「ケアの現象学」関連で。看護学生のAさんと新人看護師のBさんへの丁寧なインタビューがベース。「〈病い〉やその苦悩に促されて手が差しのべられる」ということがリアリティをもって伝わってくる。2011/02/02

ティーティーウー

1
看護大学の講師をする著者が、看護学生と新人看護師に定期的にインタビューをし、その体験から看護について考察したことをまとめた一冊。人が病を患い、闘病するその状態というのは、看護される側、看護する側、どちらかが一方的に働きかけることによってできあがるのではなく、相互的に作用しあってその状態ができあがっていくという考察が、とても面白かった。病を患うという状態だけに当てはまることではなく、人と人とが関わり合う上すべてのことにおいて、いえることかもしれない。2016/05/22

kapo54

1
卒論の関係で教授に勧められたので読んでみた。看護についての本。ベースにあるのはメルロ=ポンティの身体論。こういうやり方をスポーツに適用してみたい。2013/07/04

Fukuju

1
研究分野の人間とは全く異なる視点から病気と患者に対して接している事を感じた。 病気は患者の中で完結するのではなく、周囲の環境を含め形成されるものであるが故に、看護の重要性は、とりわけ入院患者においては際立ったものになる。分からない、から分かる、に変わった時、そこには理論だった説明は不要で、患者との間で共有ができている。データや知識が全てではない、むしろ現場ではそうした"冷たい"情報よりも、血の通った交流を通した病の共有が求められる場合が多くあるのだろう。2012/12/23

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