内容説明
ヒマラヤの山峰に抱かれ、世界遺産都市カトマンズを首府とするネパール。平和に見える小国では21世紀に入っても、中世さながらの絶対王制が営まれてきた。1990年の民主化から数年、地下に潜った小政党は、毛沢東主義革命を目指し、武装闘争を拡大。たった2挺のライフルから、近代武器を備えた1万を超える軍隊を抱える勢力にまで成長した。2006年春、ついに動き出した何十万もの民衆が、カトマンズを取り巻く道路を埋め尽くす。七政党は武器を降ろしたマオイストと共に、国王に与えられた全特権を奪い取った。5年以上にわたり現地において丁寧な聞き取り取材を進め、地下に潜った活動家やマオイストの武装勢力の指揮官たちへの突撃取材を重ねた孤高のジャーナリストが虚々実々のネパール近現代史を、迫真の筆致で描く意欲作。
目次
第1章 二一世紀のマオイスト(秘境の“首都”で見たマオイスト;混乱のなかで、武装闘争の旗を掲げる ほか)
第2章 なぜマオイストが生まれたのか―民衆と国家との確執の歴史(マオイストが支配する国のなかの孤島;「抵抗する村」タバン ほか)
第3章 ネパールの近代化を阻んだ国王たち(陰謀にまみれたネパール王制の歴史;近代化の障害でありつづけた王制 ほか)
第4章 王制からの脱却(二度のクーデターで絶対王制を実現した国王;都市部をターゲットに ほか)
著者等紹介
小倉清子[オグラキヨコ]
1957年栃木県生まれ。東京大学農学部農業生物学科卒。現在、トリブバン大学社会・文化人類学中央学部修士課程に在学中。1993年からネパールに在住し、ジャーナリストとして活動を続ける。マオイストとネパール政治に関する複数の記事をさまざまなメディアに発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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