内容説明
社会の不平等はなぜ生じるのか?その原点を、「自分で作ったものは自分のもの」というロックに遡る利己的で排他的な「所有」の考え方に見出し、それに替わる「他者尊重」の清新な所有論を展開する。また「市場」が構造的に貧困を生むカラクリを明らかにし、政府の市場への介入や「分配」の理論的根拠を示す。国家の仕組みや人々の権利を原理的に考察しなおし、マルクス主義や権力論など社会再生思想の分析を通して、「もう一つの」資本主義を探究する注目の書。
目次
第1章 所有の自明性のワナから抜け出す(社会の基礎に所有がある;どこまでが自分のものか)
第2章 市場万能論のウソを見抜く(市場のロジックを検証する;分配の根拠を示す)
第3章 なぜ不平等はいけないのか(平等をどのように規定するか;マルクス主義からの教訓;権利は合意を超越する)
第4章 国家論の禁じ手を破る(批判理論はなぜ行き詰まったのか;国家の存在理由)
著者等紹介
稲葉振一郎[イナバシンイチロウ]
1963年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専攻は社会倫理学。明治学院大学社会学部教授
立岩真也[タテイワシンヤ]
1960年、新潟県生まれ。東京大学文学部社会学科卒業後、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専攻は社会学。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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