NHKブックス
リスクのモノサシ―安全・安心生活はありうるか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910634
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C1311

内容説明

上手なリスクとの付き合い方を提案する。鳥インフルエンザやアメリカ牛のBSE問題、あるいはタバコによる発ガン、石綿による中皮腫など、現代は様々なリスク情報に溢れている。パニックを煽るようなマスメディアの報道のしかたや専門家のコメントにも問題が多い。リスクの判断基準がないと、小さなリスクを避けるために大きなコストをかけたり、反対に大きなリスクなのにあまり顧みられないといったことが起こる。本書は、どちらのリスクがどの程度危険なのか、私たち一人一人が判断できるようなモノサシ創りを提案する。リスク蔓延社会にどう生きていけばいいのか指針を提示するユニークな試み。

目次

序章 リスク情報が引き起こした社会の動揺
第1章 マスメディアの報道スタイル
第2章 専門家がもたらすリスク不安
第3章 リスクを過大視する心のしくみ
第4章 リスクのモノサシを創る
第5章 “安全か危険か”になりがちな判断
第6章 信頼は何によって決まるのか
第7章 信頼の回復には何が必要か
第8章 安全・安心生活はありうるか

著者等紹介

中谷内一也[ナカヤチカズヤ]
1962年大阪生まれ。同志社大学大学院心理学専攻博士課程満期退学。帝塚山大学心理福祉学部教授。専門領域は社会心理学、リスク心理学。現在の主要な研究テーマはリスク管理責任者への信頼問題である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MasakiZACKY

3
安全かつ安心な社会はありえるのか、リスク認知研究からせまった一冊。安全・安心を提供する側も享受する側もよく考える必要あり。2014/03/27

鴨長石

1
コロナ禍における報道や人々の意識に対する違和感が、既にほぼ本書の中で説明されていた。「抽象的な統計資料より生々しい単一事例のインパクトが大」「リスクの報道ではモノサシ(各リスクによる死者数の一覧)を添えるべき」など、一々納得できる。しかし、「最悪の予測が強調される」という文脈で、津波による予想死者数2,700人を「最悪」としているが、リスク予測の難しさを感じさせる。元々価値を共有する相手を信頼するという説については、納得とともに絶望感もある。少なくとも価値観の共有を示すことは可能で、注力すべきなのだろう。2021/01/29

なさぎ

1
「標準化された定量的『モノサシ』を作成し、それを基準にした判断を行う」という主張。「モノサシ」は決定的でなく、社会の変化に合わせ常に再検討され続けるものであるべき、とも。確かに、多元的なリスクを専門外の人まで細かに認識することは難しいから、それを補助する指標を作成することは理にかなっている。一方、「その指標を誰が、どの様な手続きで作成するのか」という事についても、リスク認知と信頼性が関わってくるという同語反復的な問題については、改めて検討する余地があるだろう。2020/08/31

ロック

0
リスクの計量化、モデル化に必要な考えをわかりやすく説明した好著。リスクに関して二分法で考えるのではなく、いかにしてグラデーションを持ちながら対策していくか。メディアや信頼についてなど現実的に必要なことか見据えられている。2016/04/07

新橋九段

0
著者は多くの本を出しているがこれが一番平易で心理学の素養がない人でもわかりやいのかもしれない。その分物足りなさもあるが。2015/10/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/473768
  • ご注意事項