NHKブックス
自治体破産―再生の鍵は何か

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910160
  • NDC分類 349
  • Cコード C1333

内容説明

日本の明日は混迷か、改革か。地方債の償還、団塊世代の莫大な退職金により、自治体の財政破綻は目前である。今まで別会計となっていた第3セクター、土地開発公社の巨額の赤字も、次々に明らかになり、補填が必要となる。財政赤字=債務は警察や教育、福祉など行政サービスの低下や際限のない増税を招き、私たちの生活に甚大な影響を与えるに違いない。本書では、現状分析と共に米連邦破産法のチャプターナインを手本とした日本版「自治体の破産制度」の導入を訴える。より効率的で財政再建のスピードが速く、しかも、自治体の財政規律を回復し、抜本的な改革が可能だからである。積年の調査・分析による意欲的な提言の書。

目次

第1章 危機に瀕した日本の自治体財政(自治体財政破綻はどこまで進んでいるのか;しのびよる地方財政破綻;財政改革に必要な抜本的コスト削減;考えられる二つのシナリオ)
第2章 なぜ自治体財政は破綻しないのか(相次ぐ財政危機宣言;自治体の財政赤字を支える国からの支援;機能しない準用再建制度;データで見る自治体財政の姿)
第3章 なぜ日本の財政規律は失われたのか(地方自治体のおかれている状況;「ソフトな予算制約」により失われた財政規律;いびつなかたちで認めた自治体の裁量権;哲学なき日本のニュー・パブリック・マネジメント)
第4章 アメリカの自治体破産法チャプターナイン(アメリカの地方分権の仕組み;均衡予算のルール;アメリカの地方債市場について;チャプターナインとは何か)
第5章 自治体の財政規律は取り戻せるのか(自治体に必要な権限とは;破産制度の経済学的効果;自治体財政再建への道;日本版チャプターナインの導入を;地方分権への道)

著者等紹介

白川一郎[シラカワイチロウ]
1943年香川県生まれ。慶応義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。経済企画庁調査審議官を経て、1995年より立命館大学政策科学部教授。富士通総研経済研究所客員研究員
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