出版社内容情報
白人と黒人が真の融合を果たした<ウィ・アー・ザ・ワールド>。しかしこの曲をきっかけにアメリカン・ポップスはかつての輝きを失ってしまう…。奇跡の楽曲が生まれた背景に迫り、その「呪い」を検証する!
内容説明
1985年。アメリカン・ポップスの青春が、終わった。ポップスの歴史を鮮やかに読みとく1冊!
目次
第1章 アメリカン・ポップスとは何か(アメリカン・ポップスの誕生;音楽出版社の時代 ほか)
第2章 ディスコとMTVが、世界を混ぜた(ディスコの時代;不死鳥、ビー・ジーズ ほか)
第3章 “ウィ・アー・ザ・ワールド”徹底研究(ボブ・ゲルドフの提唱;ハリー・ベラフォンテ、立ち上がる ほか)
第4章 華やかな夜の影で(発端;ジューンが消えた ほか)
第5章 “ウィ・アー・ザ・ワールド”の呪い(アメリカン・ポップスの「完成」;目撃者たち ほか)
著者等紹介
西寺郷太[ニシデラゴウタ]
1973年生まれ。ノーナ・リーヴスのシンガーとして活動する傍ら、作詞・作曲家、プロデューサーとしても注目を集める。また、80年代音楽に関する執筆活動でも人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
286
タイトルの呪いという表現はどうかと思うが、ウィー・アー・ザ・ワールドがアメリカン・ポップスの一つの頂点だったんだなというのはわかった。しかしいろんな思惑があったがそれを乗り越えて一つの作品が出来たのは素晴らしいことだったんだろうなと思った。2015/09/22
Mijas
56
ストリーミング・サービスの時代、音楽は「所有」するものではなくなった。有象無象に音楽がある中、感動に導いてくれる音楽は何なのか。著者はアメリカのポップスの歴史を紐解き、1985年に発表されたWe are the worldに注目する。アフリカの飢餓を救うという大義名分のもとにチーム・アメリカが作られる。それは白人スターと黒人スターが手をとり合うという、人種間の融和を目的としていた。壮大なこの企画の舞台裏は興味深い。誰がソロを歌ったか…改めて曲を聴いて確認したり「一つの音楽」の意味するところを考えたりした。2017/08/13
Koning
50
自身も音楽家で文章も書くという著者ならではの1冊か。80年代のアメリカのポップスがこの1曲で究極の一発屋状態を作り出した呪いの発動は面白かった。「ブルーススプリングスティーンなんざあれだよね」なノリはうん、あったあった(笑)個人的にはBandAidの二番煎じでつまんねー曲じゃないですか、やだー(でもシンディーのトコは好き)とかしょうもない感想を当時抱いてたので(今でもDo they know its christmas?はカラオケで歌うぐらい。2016/07/07
まるほ
38
ほとんど洋楽には疎い私ですが、『We are the World』はハマりました。メイキングビデオも興味深かったですね。マイケル・ジャクソンを筆頭に、アメリカポップス界の凄さを見せつけられた作品(イベント)でした。▼久しぶりにYou tubeで映像を見て、この本に興味をひかれました。前半のアメリカポップス界の流れの部分は読み飛ばしましたが、第3章「ウィ・アー・ザ・ワールド徹底研究」以降は、興味深く読みました。やはり前人未到のイベントであったのですね。2018/11/30
GAKU
35
1985年に発表された「ウィ・アー・ザ・ワールド」。私の大好きなアーティストが多数参加しており、当時メーキングビデオを購入し何回も観ました。そんな「ウィ・アー・~」のエピソードが色々と書かれています。プリンスは声をかけられていたが、結局来なかった。マドンナはレコード会社同士の確執で誘われていなかった?ニューヨーク州でコンサートツアーを敢行したばかりのスプリングスティーンは、ロサンゼルス空港から自分でレンタカーを運転してスタジオまで来た。等々。この当時の洋楽好きの方には、面白く読める1冊ではないでしょうか。2015/11/22