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NHK出版新書
ネグリ、日本と向き合う

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  • サイズ 新書判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884300
  • NDC分類 304
  • Cコード C0210

内容説明

2013年、ついに来日を果たしたアントニオ・ネグリ。彼は、3・11後の日本をどう見たのか?原発問題・領土問題・アベノミクスなど日本の課題、米国・EU・中国・南米など現代の世界情勢、日本におけるマルチチュードの可能性について、率直に語る。日本を代表する知識人によるネグリへの“応答”も多数収載。世界有数の知性と日本の知性がぶつかりあう刺激的な一冊!

目次

アントニオ・ネグリの現在
1 「東アジアのなかの日本」と向き合う(グローバリゼーションの地政学;東アジアの「冷戦」と「熱戦」;東アジアのナショナリズムとリージョナリズム)
2 「3・11後の日本」と向き合う(3・11後の日本におけるマルチチュードと権力;「社会的なもの」の行方;日本のマルチチュード;3・11以降の反原発運動にみる政治と文化)
3 原発危機からアベノミクスまで、「日本の現在」と向き合う(アベノミクスと『風立ちぬ』―日本から帰って考えたいくつかのこと;「原子力―主権国家体制」の行方;絶対的民主主義への道はどこに?)

著者等紹介

ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ] [Negri,Antonio]
1933年生まれ。イタリアの社会学者・政治哲学者・活動家。元パドヴァ大学教授。アウトノミア(労働者自治)運動の理論的指導者。70年代末、テロ事件に関わった容疑で不当に逮捕・投獄される。フランス亡命後の97年に帰国し自ら下獄。2003年、自由の身に

市田良彦[イチダヨシヒコ]
1957年生まれ。神戸大学国際文化学研究科教授。専攻は社会思想史

伊藤守[イトウマモル]
1954年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は社会学、メディア・文化研究

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長。専攻は女性学、ジェンダー研究

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年生まれ。社会学者

三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年生まれ。中央大学文学部教授。専攻はフランス文学・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

19
ネグリが「原子力国家」を原発に固執する政・財・官の支配ブロックとする(12頁)。 高度な原子力技術は、テクノクラート組織とメディアによって資本主義の支配を保障し、 民主的プロセスの例外状態を強制する原子力国家の絶対的オプション(22頁)。 不可逆的なのは恐ろしい。 西太平洋の均衡を巡る問題は、帝国主義同士の政治的対立と、国民国家の形態の永続する堅固さと、 多国間を束ねる地域統合の入り組んだ構造から生じる点(43頁)。 ネグリは、原子力国家と民主主義は良質しえない(傍点、69頁)。  2014/03/27

浅香山三郎

11
ネグリを迎へてのシンポジウムの記録。マルチチュードをキーワードに、「3.11後の日本」を読みとく。日本に対する「国家資本主義」「原子力国家」といふ形容など、ネグリやそれを迎へた日本の識者の見立てを読むことになる。2018/05/03

Ecriture

10
原発保有国はいつでも原子力兵器を保有可能で、例外状態を物理的におしつけて決断を下す「原子力国家」であり、民主主義とは相容れない。ネグリはデモに集った虹色の群衆にコモン創造の実践を見る。市田良彦が強調した負のコモン(公的債権・「みんな」で先食いした未来の利益)も念頭に、私有を共有に変えていかねばならない。姜尚中の「アジアには熱戦しかなかった」と「アジアは今でも冷戦が続く」の両発言は矛盾しているが示唆は受けた。大澤真幸は絶対的民主主義の不可能性を指摘し、資本主義という宗教に別の宗教を対置することを提案する。2014/05/21

7
自らを維持するために手段を選ばない「原子力国家」の下では、国民も人口の一部として国家とつながる「原子」と化す。対して、不安定な原子としてではなく、前向きにつながって強くなろうとするのが「マルチチュード」的なな考え方なのかな?と解釈した。「脱原発」は言うほど容易ではないと思うが、「資本主義帝国」や「原子力国家」を超克した先を想像することが大事なのかもしれない。▼全体的にフワフワしているような気がして大賛同はできないが、ネグリさんが来日できてよかった。2018/04/04

呼戯人

7
もうとっくに80歳を超えて、マルチチュードとともに世界同時革命を呼びかける革命家にして、思想家が日本を巡る問題について姜尚中らとともに対談した論集。柄谷行人は単なるアナーキストだと切り捨てるが、しかし世界的な民衆の抵抗運動を予見している点で、ネグリの洞察は現代世界への鋭い予見を提示していると思われる。2008年には入国禁止だったが、2013年に来日が果たされて、出来た本。 グローバリズムとネオ・リベラリズムに対する根本的批判がなされている。2015/08/13

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