NHK出版新書<br> 政治の終焉

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NHK出版新書
政治の終焉

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884065
  • NDC分類 310.4
  • Cコード C0231

内容説明

政党政治はなぜかくも空洞化したのか。安倍政権のどこが問題なのか。「改革」幻想に囚われたこの20年間を検証し、混迷する政治状況を読み解く明確な視点を打ち出す。金融政策から外交戦略、コミュニティ再構築から望まれる公共事業のありかたまで、喫緊の課題を論じる。取り戻すべき政治の価値とは何かを明らかにし、真の保守の精神を力強く説く白熱討議。

目次

第1章 安倍政権のどこが問題なのか―「政治の暗黙知」を再生せよ(「希望の党」から「追憶の党」へ;自民党の暗黙知と民主党の顕在知 ほか)
第2章 「改革」幻想の二〇年―なぜ政治は空洞化したのか(政党の大安売り;党名に現れる政党政治の堕落 ほか)
第3章 政治の価値をいかに取り戻すか―コミュニティ再興から外交戦略まで(価値観喪失の戦後日本;舞うのは標語だけ ほか)
終章 真の論点とは何か―政治再生への処方箋(「中間内閣」と「仮置きの総理」;自民党再生への処方箋 ほか)

著者等紹介

御厨貴[ミクリヤタカシ]
1951年、東京都生まれ。東京大学名誉教授、放送大学教授、青山学院大学特別招聘教授。東京大学法学部卒業後、東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て現職。専門は近代日本政治史、オーラル・ヒストリー

松原隆一郎[マツバラリュウイチロウ]
1956年、神戸市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専門は社会経済学、相関社会科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

38
2012年〜13年に行われた政治学者と社会学者の放談会。民主党政権崩壊の時期と丁度重なるので、民主批判が目立つが、返す刀で安倍政権への不安を吐露しているのが興味深い。そして「革新右翼的な方向に行き、悪しき1国1党になりかねない」という予感が当たっているのが怖い。御厨氏の「太平洋戦争に至る軍国主義路線の1930年代をモデルに現代を読み解く思考法から自立すべき」との指摘は肯ける。人口減と経済停滞を踏まえると、価値観の衝突を恐れず、人生観を転換し、将来のない村は棄てるという位の議論をする時期なのかもしれない。2017/06/02

壱萬弐仟縁

10
松原隆一郎先生は、反TPPはマル経が多いと指摘する伊藤元重先生の、TPPで外国に日本を変えてもらいましょう、とする主張を批判する(54頁)。まちづくりの基本モデルがない地域、牡鹿半島の民宿(138頁)。御厨貴先生は、撤退の農村計画論的な発想かと思われる。TPPは経済ブロックという認識は、アベノミクスにはあるのだろうか? TPPは交渉能力がシビアに問われる外交力量の問題。農業が打撃を受け、地域の存在基盤を揺るがす。東京一極集中の是正は遅々として進まない。周辺部がさびれて中央も遅れてさびれる可能性はないか?2013/05/24

ブナ太郎

3
最近出た本とはいえ、今読むとすでに「時代遅れ」になっている感が否めない。やたらと、コミニティの再構築を訴えているが、お互い専門ではないのでは?と思ってしまう。生物は、本能的に己の利益と不利益の合計がプラスにならないところには集まらない。既存のコミニティがことごとく崩壊しているのは、その合計が単にマイナスに転じたからであろう。「コミニティの再構築」と言えば聞こえはいいが、ひとは価値観だけでは集まらない。やはり、その集団に参加することによって自らが利益が得られるコミニティないしは、集団が必要だ。それらは、意図2014/06/23

駒場

2
自民党の理想主義的な政策(産めよ殖やせよの成長主義や家族主義)、民主党の自滅、第三極のビジョンのなさ、日本政治の全てを批判したこの本はペシミズムに満ち満ちているようにも感じられる。結局そこには何が残るのか?最終章で二つの「追憶」から脱却することが今の政治には必要だと述べている。戦後モデルと1930年代モデルがそれで、戦後インフラ体制を脱却して真の保守主義を打ち立てること、1930年代を恐怖の産物として常に思い出すことや「思い出」にしてしまうことから解放されることの必要性が述べられている2013/05/09

Moloko

1
対談形式のライトな本。第二次安倍内閣についてだいぶ悪く評価していて、少しは肯定的に見ても良いのではと思うが、二人の議論には「民主党の政権交代前後の政治を選挙至上主義だ」「先進国が輸出増が前提の成長戦略は無理」「公共事業の選択と限界を見切るべき」「経済的価値一辺倒から新たな日本的価値へ転換すべき」等の鋭い指摘・提言があって、日本の現実とよく格闘していると思う。経済成長に限界がある現実をしっかり受け入れて、新たな日本像を目指す議論をすべきという意見に賛成したい。2014/09/15

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