内容説明
なぜ不平等が生まれるのか?公正な社会をいかに作るか?理想の教育とは?18世紀に生を受けながら、今日にも通ずる重要な問題を徹底的に考えた思想家がいた。「自然」と「社会」という対立する概念の間で揺らぎながらも、一般意志というコンセプトを使って、理想の社会のあり方を提示したルソー。その考え方を、主著に即して明快に解説。現代人の切実な問いに答えるスリリングな書。
目次
序章 今、なぜルソーなのか?(ルソーの定番的説明;民主主義と自由主義の矛盾 ほか)
第1章 なぜ「不平等」が生まれるのか?―ルソーの格差論(フランス啓蒙主義の特徴;ルソーの二面性 ほか)
第2章 「公正な社会」をいかに作るか?―ルソーの国家論(「理想の社会」にいかに到達するか;自由と鎖のジレンマ ほか)
第3章 「自然」と「理性」のバランスをどうとるか?―ルソーの教育論(多数者の専制;「古代人の自由」と「近代人の自由」 ほか)
終章 なぜ「透明なコミュニケーション」に惹かれるのか?(言語の両義性;「法の絶対視」が悲劇を生む ほか)
著者等紹介
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年、広島県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。現在、金沢大学法学類教授。専攻は、社会思想史、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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