内容説明
本ばかり読んでも意味がない。漱石と「坊っちゃん」を自身に重ねて説く「反常識」のすすめ!
目次
第1講 「大人になる」とはどういうことか(なぜ国民的作品なのか;私と漱石の出会い ほか)
第2講 自分の頭で考えろ(人はいつ変わるのか;「自分で考える」ことから始める ほか)
第3講 先生が教えない大切なこと(教科書を墨で塗りつぶした;学びたいことは自分で盗め ほか)
第4講 寄り道のすすめ(「自己本位」に生きる;一〇のうち三か四は休む ほか)
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業。専門は解剖学。1995年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。1989年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
56
『坊っちゃん』を読み解きながら、「大人になる」ことについて考える授業。養老先生自身の世代、学生運動さかんだった世代、もちろん今の中学生自身にも大いにつながるものがある。読み終えると、教育や子育てなどは、一世代前の価値観と、その時代の価値観とのくいちがいの中で、どのような「今」の生き方を編み出していくかを、みんなが問われる問題なんだと思う。本を要約するのはもったいない。随所に同感できる言葉がある。『坊っちゃん』は軽いユーモア文学だと考えがちだが、的確に社会の図式を示してくれる、なかなかに深い作品だと思った。2021/02/09
夏野
2
NHK100分de名著シリーズ。養老孟司が中学生達への講義を頼まれ、大人になることをテーマに、夏目漱石の著書の「坊ちゃん」及び夏目漱石について語ったものを文章化したものです。聞き手が中学生なので分かりやすく、難しいことを語っておられます。第一講「大人になる」とはどういうことか、第二講自分の頭で考えろ、第三講義先生が教えない大切なこと、第四講寄り道のすすめの4つに大別されますが、養老孟司自身の体験や、夏目漱石についてのことなどいろいろ多岐にわたっており、面白く読めました。2020/09/16