いのちを選ぶ社会―出生前診断のいま

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いのちを選ぶ社会―出生前診断のいま

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140816226
  • NDC分類 495.5
  • Cコード C0040

内容説明

子どもを帯むことが幸せな体験であり続けるには?誰もが差別されずに生きていくには?NHKプロデューサーが悩みながらその答えを探る、リアルでしなやかなリポート。

目次

第1章 新型検査の上陸―2012年・日本(新型とは何か;99%の意味 ほか)
第2章 出生前検査が浸透した国―2013年・フランス(医師の言葉と96%;「答申120号」 ほか)
第3章 スクリーニングの歴史と思想(優生学の肯定?;裏口から表のほうへ ほか)
第4章 日本の歩んだ道(3度目の大波;「不幸な子ども」 ほか)
第5章 どんな社会をつくってゆくのか(NIPT開始6か月;ふたりの医師 ほか)

著者等紹介

坂井律子[サカイリツコ]
1960年生まれ。85年東京大学文学部卒業後、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして福祉、医療、教育などをテーマとする番組に携わる。現在、NHK制作局青少年教育番組部専任部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

7
何を行うのにも、必ずリスクはついてまわる。その行為に対するリスクを理解し、受け入れた上で実行するなら例えどのようなものであってもひとつの選択とは言える。しかし、ただ表面的な情報を収集するだけで底に潜むリスクを踏まえていないとすれば、そのような状態で選択させることは悲劇を引き起こす可能性がある。2014/03/30

マイケル

4
充実した海外取材と読みやすい文章で生命倫理の問題について考えてみたい人に推薦。出生前診断を優生学ではとストレートに質問している点に好感。検査結果で96%が中絶選択しダウン症児が減ったフランスや英国。個人の選択だから優生学では無い? ダウン症児の親の調査では99%がダウン症の子を愛しているとの結果。ダウン症が結構長生きするためコスト掛かるため検査で減らすべきと言う功利主義的意見。ロングフル・バース訴訟については、その後「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子(河合香織著)」で日本でも。参考文献も充実。2020/05/04

ヒナコ

3
フランス、アメリカ、イギリス、日本における出生前診断の歴史と現状が淡々と抑制された文体で綴られている。出生前診断における優生学や女性の自己決定についての強調点の違いなどは勉強になった。 有性生殖で個体を増やす生物は、どうしても種の中の遺伝子の多様性を持ってしまう、という現実をどう評価するのか。そして、遺伝的なある特性だけが生きやすい社会を前提に、産まれるのが望ましい次世代の個体を選ぶの合理的な判断なのか? 著者の問いは暖かく、その視点は実際にトリソミーを持って人生を過ごす人たちに向けられているようだった。2019/06/03

Uzundk

3
命を選ぶと言うことについての今。 実際のところそれを優生学的な圧力と取るのか、各個人の自由と取るのか、倫理道徳の統治案件とするのか、誰もが決めかねているのが分かった。 フランスでは政府が個人の知識よりも前に検査の義務づけによって優生学的思考に誘導しているという批判があることが興味深いと思った。 私としては、問いが重くても両親となる二人の決定に委ねられて、それを責めることの無い社会であることを願う。その決定と負担のバランスをどう取るかは"恵まれた"現代だからこその悩みとして議論を深めて行けたら良いと思う。2014/09/15

Snowgirl

3
フランス、イギリス、アメリカ、日本の事情を、丁寧に取材をして書かれている。わたしは未婚だが、高齢出産と呼ばれる年齢になり、今後もし妊娠することがあったらさてどうするのだろうかと、考えさせられた。「検査を受けるor受けない」「(陽性確定時に)産むor産まない」、妊婦がどんな選択をするとしても、誰も責められない社会であってほしい。2014/03/16

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