マヨラナ―消えた天才物理学者を追う

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 460p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140816059
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0042

内容説明

1938年3月26日の夜、シチリア島のパレルモからナポリ行きの船に乗った男が失踪した。エットーレ・マヨラナ―。エンリコ・フェルミ率いるパニスペルナ研究所で天賦の才を発揮するも、周囲との軋轢から孤立していった風変わりな物理学者。ニュートリノが実際に観測される25年も前に、この粒子の性質について考察していた恐るべき男。彼はなぜ失踪したのか?原子核物理学の世界に何を残していったのか。本書は、知られざる天才の驚くべき生涯の物語を軸に、核分裂という「錬金術」を実現しつつあった20世紀前半の物理学界の人々の人間模様、最新の素粒子物理学の課題を織り込んだ、他に類を見ないポピュラーサイエンス書である。

目次

第1部 異端審問所長―1906年~1938年(エトネーア通り二五一番地の屋根裏部屋;核危機;若き日のフランケンシュタイン;正体をあらわしたポルターガイスト;パンと精子 ほか)
第2部 暗黒物質―1938年~(道化師たち;ピランデッロ間奏曲;アルゼンチンよ、泣かないで;太陽は病んでいるか;獣の刻印 ほか)

著者等紹介

マゲイジョ,ジョアオ[マゲイジョ,ジョアオ] [Magueijo,Joao]
理論物理学者。ポルトガル生まれ。講師、研究者として、過去ケンブリッジ大学、プリンストン大学、カリフォルニア大学バークレー校に在籍。現在はインペリアル・カレッジ・ロンドンで理論物理学の教授を務める。ロンドン在住

塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家。立教大学英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えも

12
マヨラナの失踪事件だけでなく、業績も分かりやすく説明してある。それは著者がバリバリの物理学者だから。あのディラックの海に納得できず独自の理論を打ち出し、それが時間を過去へと遡る粒子の存在を示唆する…。うーん。久しぶりに「チョウたちの時間」が読みたくなった。瑞浪図書館にはないが多治見図書館にはあるようなので、週末には行ってみたい。2013/08/08

yooou

11
☆☆☆☆☆ 面白い!奇妙なエットーレとニュートリノ。抜群の構成で驚きました。2013/07/06

ひまわり

8
ちょうどこの本を読んでいるときに国立大の2次試験を廃止して面接にする・・・というニュースが入ってきた。「なんてことを!」天才は変人であるかもしれないのに。物理のことは詳しくないので今回もニュートリノや原子など四苦八苦して読んだが、人間関係のことは面白く、エットーレ・マヨラナの内面も少しだけ覗けたような気がした。原子力は人の領分ではない気がしていたのだが、発見、研究者たちには「知りたい」という欲求がおさえられないのだろうな。実際のマヨナラはどこへ行ってしまったのか。私自身は修道院にいって静かに研究を続けてい2013/10/14

nemunomori

7
「われわれはみな間違った道を進んでいる」そんなミステリアスな言葉を残して失踪した天才物理学者マヨナラの生涯をたどるノンフィクション。第二次世界大戦へと突き進みゆく時代、ニュートリノを発見した物理学者たちの研究は核爆弾を生み出すことになります。 原子核物理学の理論が打ち立てられる過程の臨場感が素晴らしいけれども……。なぜか、実在する人々を片端からひどく貶めるような攻撃的な描き方なので辟易しました。膨大な調査がもったいない。2017/04/14

OZAC

6
シャーシャ版の次に読んだが、彼の小説では語られなかったマヨラナの研究者としての側面がかなり詳細に書かれていて、マヨラナという人物を探るうえでこちらのほうが格段にとっつきやすかった。また1930年代の物理学会の潮流がわかりやすく解説されていて、マヨラナの失踪の謎を考察するうえで非常によい手がかりを提供していると思う。特にドイツ留学から帰国した後の4年間に及ぶ隠遁生活の原因について、かなり的を得た推測がされているのは溜飲が下がる思いである。2019/11/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6758790
  • ご注意事項