ガンディーからの“問い”―君は「欲望」を捨てられるか

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140814000
  • NDC分類 126.9
  • Cコード C0014

内容説明

塩の行進、非暴力、断食、糸車を回す…。ガンディーにとって「真の自由」とは、すべての欲望から解放されることにあった。「人間よ、自己の欲望と向き合え。そして反省し、真理に従って行動せよ―」。「自由」という言葉を楯に競争を煽り、「欲望」の赴くままに突き進んで貧富の差が拡大した今日、その欲望を捨てる「実験」を繰り返したガンディーの生き方を問い直す。

目次

序―ガンディーは可能か?
第1章 歩く・食べない・回す
第2章 「非暴力」「不服従」への道
第3章 禁欲主義の矛盾
第4章 命が私を生きている
終章 ガンディーの“問い”を考える(対談:中島岳志×南直哉)
ガンディー略年譜

著者等紹介

中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年大阪生まれ。大阪外国語大学卒。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。現在、北海道大学公共政策大学院准教授。学術博士(地域研究)。専門は南アジア地域研究、近代政治思想史。主な著書に『中村屋のボース』(白水社、大佛次郎論壇賞/アジア・太平洋賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Viola

7
偉人は、一方で家庭生活に失敗していたり若い頃の煩悩を猛烈に反省していたり。すべてが完璧な聖人君主のような人はやはりいないのだと思うと、ホッとすると同時に一番身近にいた人のはいたたまれないと思う。極端に禁欲的な生活は理解できないけど、彼の目指した宗教間の融合、「真理は神」だとする考え方には深く共感する。2月の『100分de名著』はガンジーの著書で解説者はこの本の著者である中島氏。2017/01/29

ペカソ・チャルマンチャイ

5
ガンディーは尊敬する偉人だが、家庭がこんなことになっていたとは知らなかった。何か突出したものがあれば、凹んだところがあるのは人間として当然か。学ぶべきことは多いが、自分に活かすことは難しいな。2018/08/04

乱読家 護る会支持!

3
人の三大欲求は「食欲」「性欲」「睡眠欲」。どれも、人が個人としても社会としても継続するためには欠くことが出来ない。 しかし、人の欲求は留まるところを知らず、どんどんと更なる欲求が生まれる。 それが暴力や支配を生み出す。 なので、欲求を抑制して、真の自由を取り戻そう。。。 だとすると、生活に必要な欲求だけに抑圧した生き方が本当に幸せなのだろうか?生活に必要な欲求と、不必要な欲求をどうやって線引きするのか?どうやって、その欲望をコントロールするのか?具体的な方法は? 2020/07/27

Shu

2
ガンディーのこと全然知らなかったけど、争いをとめるために自ら断食したっていうのがまず驚き。ぶっとんでる。 宗教間の争いをとめるために高次なレベル(メタ宗教)で教えを唱えたっていうのは現代でもあてはまる。 尊敬している企業の社長が世界規模になるほど国ごとではなくより高次なレベルでビジョンを掲げなければいけないって言ってて、それと本質はおなじだよな。 それ以外に面白かったのは ・子作りのための性交のみを認める ・味覚を否定し調味料は塩のみを使用 ・親父(ガンジー)厳格すぎて長男グレる。 おもろいw2015/11/13

まつゆう

2
名詞の「悟り」を述べるのではなく、動詞の「悟る」という行為を、生涯に渡って貫いていったガンディーの生き方を見ると、考えが止まらなくなる。ただ、この本にもあるように、欲望を全て捨てるというのはどう考えても非現実的だし、論理的には種の保存も不可能となる(逆に言えば、もし性欲も食欲も全て滅却させ、論理的に死を選びとったら、それこそ人間が圧倒的に他の動物と異なる点になるのだろうけど)。欲望も程々に、それでもある程度倫理的に、という分析にガンディーが至らなかったのはなぜだろう。2013/05/28

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